優秀な人材が育ち定着する会社の社長が持つ信念とは
当社には日頃より、社員が辞めずに活躍する会社づくりを目指す中小企業のオーナー社長より、「今いる社員が日々、仕事を通じて成長し主体性を発揮する」人材育成や「今いる社員同士が、協力、団結してチーム力を発揮する」組織風土づくりに関する様々なご相談をお受けしております。
今回は、「心理学」の視点を交えた内容をお届けしていきます。というのも、経営者で、「心理学」を学ばれている方が少なからずいらっしゃるからです。それは自社の社員を動かすモチベーション向上だったり、顧客の心理分析だったりと、「人間の心理」を知っているか否か、それを活かせているか否かが、ビジネスにおいて、その結果に大きな影響力を持っているからです。
これまでもセミナーやコンサルティングの場面において、心理学の専門とわかるや否や、様々な「人間の心理」に関する質問をされる機会がありました。そして、多くの方が口を揃えて言うのが、「過去と他人は変えられない」ということです。
実際にカウンセリングのような自己成長を促す場においては、確かに「過去と他人は変えられない」だから、「未来と自分を変えましょう」。そのために、「自分で決断して行動していきましょう。」ということを伝えることは多くあります。
あるいは、そもそも「人は変わらない」「変われない」と言い切る経営者もいます。ですが、本当にそうでしょうか。私たちの性格や考え方、行動は変わらないのでしょうか。変えられないのでしょうか。
人は変われるか。他人を変えられるか。
答えは、イエスでもあり、ノーでもあります。というのは、「自分は変われる」「自分は変わりたい」と思った人は、変われるからです。
「他人を変えられない」というのも、相手を思ったとおりには変えられませんが、相手が変わりたいと思っている時、その相手の「自分は変わりたい」気持ちを後押しすることは出来ます。その結果、相手が変わることが出来たのであれば、あなたは、「他人の変わりたい」を支援したという意味においては、「他人を変えた」とも言えるのです。
話をシンプルに、かつ、ビジネスの観点から、より分かりやすくお伝えしていきます。
優秀な人材だけを評価してよいのか
例えば、自社の中に抜きんでて能力が高い社員がいたとします。その能力は産まれ持ったものでもあれば、個人の努力の賜物でもあるでしょう。経営者としては、そのような能力の高い人材を高く評価し、重宝し、優先的に育成したいと思うのは自然なことだともいえます。
ですが、そのような人材が、ある時、何等かの「失敗」「ミス」をしてしまった時、その失敗をどう捉え、どう行動していくのか。実は、経営者は、本人の持つ、もともとの能力よりも、その立ち直り方を見るべきなのです。
失敗した時、自分の傷ついた自尊心を取り戻すために、誰かのせい、何かのせいにする、言い訳をするような場合は、会社の未来を担う人材としては「不適格」であると断言します。
会社の未来を託せる人材は、今は十分な能力が備わっていない場合であっても、「自分は変われる、成長できる、その可能性があると信じている」人材だからです。
人は成長できると信じられるか
そして、最も大切なのは、と経営者自身が、「人は成長できる」と信じているかどうかなのです。コラムの冒頭のように、そもそも人は変われないと嘆き諦めているのであれば、自社に優秀な人材は育たないし、定着もしないでしょう。
さらに「彼ら、彼女らは、もっともっと成長できる。伸びていく。」と自社の社員を心から信じ、そして、失敗した時は、「その失敗から学んで前進することだけに専念できるよう」気づきや学びのチャンスを与えること。
経営者が、自分たちの「成長を信じてくれている」「成長することを後押ししてくれている」と社員は感じ取ることでしょう。
それが経営者の役目でもあり、優秀な人材を育成し、自社に定着させるために必要な「基本中の基本」なのです。
育成に欠かせないのは、「人は成長できる」という社長の揺るぎない信念なのです。
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