社員が業績に関心を持つ会社には、ある特徴がある
「厳しい環境が続いていますが、社員はまったくそのことに関心を持っていません。危機感を持っているのは経営者だけかもしれません。どうしたらよいでしょうか?」
会社の存続や業績の低迷に危機感を持つのは経営者・経営幹部だけというのは、決してこの1社の問題ではありません。ほとんどの会社がそうでしょう。
しかし、こういった場合、「その問題はすべて社員にある」と考えているケースがほとんどです。そのため経営者も経営幹部もそのことにストレスを持っていることは間違いないでしょう。
「いつになったらその気になるのか!」
「どうしたら彼らは本気を出すのか!」
と、解決できない問題に頭を抱え悩み続けています。
確かに、今回の新型コロナで業績が落ちたにもかかわらず、危機感を持たずに仕事をしている社員には、ある問題があります。
特徴的な話をしましょう。
成長塾では、参加される企業の2割は賞与の決め方を「夏は1か月、冬は1.5か月」と決めています。そしてその理由はほとんど同じです。
「社員にも生活があり、そして高額商品を購入するときにボーナス払いで買っている以上、それを支援してあげることは会社経営者として当然のこと」
と考えているからです。
「優しい経営者」という言い方もできるでしょう。しかし、このような会社には共通の問題点があります。それは、「社員が業績に関心を持たない」ことです。
もともと賞与は業績連動型でなければなりません。
業績がいいときは、賞与が増える。業績が悪いときは、賞与は減る。場合によっては賞与がゼロということもあるでしょう。それを望んでいる経営者も社員もいませんが……。
ところがどのような業績でも賞与の額が決まっているのであれば、社員にしてみればそれは安心でしょう。いい会社だと思うでしょう。
しかし、社員は業績に関心を持たなくなるのです。
賞与はお客様からいただいています。お客様に喜んでもらうことによって業績が良くなり、賞与が増えるのです。この中継ぎをするのが「成長シート」です。社員が「成長シート」で成長することで成果を上げ、結果として業績を高めることにつながります。
社員が成長することで業績が向上し、そしてそれは賞与という形でまた社員に返ってくるのです。このことを示さない限り、いつになっても社員は業績に興味を持ちません。
「この新型コロナの影響で業績が落ちた」会社が、「賞与を前年対比で50%ダウンになったら、優秀な社員から辞めた」という相談もあります。
逆に、これをきちんと連動するようにした会社の経営者からは次々とこんな報告を貰います。
「社員がこんなに業績に関心を持つとは思わなかった。信じられない。今は私が「業績を上げろ、がんばれ」と言わなくても社員は勝手に頑張っています。これが仕組みですね」
そうなのです。社員を成長させるためには社員一人一人のモチベーションを問うのではなく、どうなったら社員が成長するかを考えること。それが優先されるとお考えください。
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