数字を読む ―約1兆1,424億円―
この数字は、日本企業が紙の請求書を電子化した場合の1 年間の経済効果を試算したものである( 関西大学・宮本勝浩名誉教授発表)。
この報告書によると、紙の請求書を電子化した場合の年間利益は1 社あたり大企業で約666 万円、中規模の企業で約200 万円になるという。国内で請求書を電子化している企業は34.2%にとどまることから、電子化を100%達成した場合には、このように年間の利益の総額は1 兆円超えに膨らむとし、請求書の電子化が一般に考えられているよりも大きな利益をもたらすと指摘している。
コロナ禍においても、経理や総務などのセクションは、あまりリモートワークの導入が進んでいないが、その原因は「紙の請求書」だと言われている。請求書の発送費用と、請求書作成、発送業務に携わる人件費を削減できれば、大きなコストカットが可能で、1 兆1,424 億円の内訳は、郵送コストが年間5,913億円、人件費が5,511 億円と試算されている。
一方、10 月1 日からは改正電子帳簿保存法が施行され、請求書や契約書などを電子データで保存する規制が緩和された。
データを改変できないクラウドシステムなどのサービスで決済情報を管理していれば、紙の領収書や請求書の原本を保存しなくてもよくなり、年々、実務レベルで効率的に活用できるように変化している。
菅内閣は、コロナ禍により露呈したアナログの行政事務を改革すべく、デジタル庁の新設を看板政策として掲げ、全府省にも押印の廃止を求めるなど、国を挙げて行政のデジタル化を推進している。
このデジタル化の機運は、民間企業にも少なからず影響を与えているが、行政と同様に中小企業の経理は、紙に振り回されているのが現実である。
だが、膨大な請求書発行業務を伴う通販事業においてデジタル化は、業務改善の重要ポイントだ。B to B、B to C ともにEC 取引が主流になりつつある今、注文書や送り状、契約書、領収書、見積書などの作成において生産性を高めて業務の効率化を図るためには、電子化は欠かせない。
今後も、この法律は改正頻度が高いと予想されるだけに、その点を踏まえて経理業務の刷新の準備を進めるべきである。
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