一体感を持ちチーム力を発揮できる組織と出来ない組織の違い
当社には日頃より、社員が辞めずに活躍する会社づくりを目指す中小企業のオーナー社長より、「今いる社員が日々、仕事を通じて成長し主体性を発揮する」人材育成や「今いる社員同士が、協力、団結してチーム力を発揮する」組織風土づくりに関する様々なご相談をお受けしております。
社員が辞めない会社、仕事を通じて成長する会社、そしてチーム力を発揮する会社になるために、今、大切なのは「危機意識」と「仲間意識」です。
例えば、今、新しい生活様式の中で、職場の社員間においても徹底した衛生管理はもちろん、顧客に対しても同様の対策が求められています。簡単に言うと、これまでとは違ったイレギュラーな対応が必要になっているということです。
ぬるい人間関係がもたらす見逃し
しかしながら、感染予防対策が長期化する中で、人間ですから「この程度は大丈夫」という緩みも出てしまうこともあるでしょう。そのような時こそ、適切な緊張感と危機意識を持てるかどうかは重要です。
ところが、この「危機意識」というのは、職場に蔓延している「緊張感がなく、ぬるい人間関係」の中では難しいのです。緩みを適切に指摘し、修正していけるかどうかが大切なのですが、仲の良い人間関係であればあるほど、「見逃し」「見て見ぬふり」になってしまいがちです。
学習性無気力が引き起こすリスク
一方で、「強い緊張感が常に求められ、何か意見を言ったとしても全否定で返される」と、これまたハラスメントの温床のような人間関係の中でも難しいのです。これまで、チーム内の意見は無視され全否定されるという経験を続けていると、「学習性無気力」といって、「言っても仕方がない」「言うだけ損」という感覚になってくるからです。
「危機意識」はビジネスの進化という面でも重要です。コロナ渦において、これまでのビジネススタイルだけでは事業が成り立っていかないという厳しい現実に晒されている中小企業は数多く存在します。ここでも「このままではマズい」という危機感が、新しい事業やビジネスモデルを産みだす原動力になるのです。
その時に、新しいアイディア、企画などの「変化」を産みだせるかどうか。「前例がない」とか、「失敗が怖い」等の理由で何も手を施さなければ、状況は悪化していくばかりです。
この時に「いかに新しいものにチャレンジし、チーム一丸となって邁進できるか」。これも日ごろの職場内の人間関係が大きく作用します。
チーム内の心理的安全性を阻むもの
では、望ましい人間関係とはどのようなものなのでしょうか。それはまさに心理的安全性を感じることが出来るチームであり、人間関係なのです。
心理的安全性とは、「自分らしさを発揮しながらチームに参画できるという実感である」とピョートル・フェリクス・グジバチ 氏は、著書「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法(朝日新聞出版)」の中で述べています。
そして、チームリーダーや管理職の在り方、関わり方が最も重要なのですが、その理想像とはあまりにもかけ離れたリーダーが存在するのも事実です。
例えば、チームメンバーを「好き嫌いで判断する」、「育成ではなく、怒鳴りつけるなど支配しようとする」などの感情のコントロールが出来ない未熟型リーダーです。
ところが、トップの社長が、この未熟型リーダーに対して「これまで会社に貢献してくれていたという理由で何も対処できないでいる」という場合も多々あります。処分はもちろんのこと、社長自身が適切に指導もできないでいるのです。
このようなリーダーを現場に野放しにしていることについて、社長はまさに「危機意識」を持つべきなのです。社内のベテラン「未成熟なリーダー」を放置してはいけないのです。
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