ポストコロナ時代の新しい部下指導スタイルでパワハラ撲滅
最近、新型コロナウィルス感染者数が増加し、感染予防と経済をまわすという両輪の難しい対策が議論されているものの、先が見えない不安に、多くの人の心が疲弊し、不安からくるイライラや怒りを抱えています。その疲弊を解消することすら、様々な制限があり難しいというのが現状です。
そのような中、今年の6月から大企業に義務化されたのがパワハラ対策です。このコラムにおいても、パワーハラスメントを徹底予防し撲滅するためには、コミュニケーション、つまり指導の在り方を変える必要があると伝えてきました。
さて、ここで今一度、なぜ、パワーハラスメントが増えているのかを考えます。
「違いを知る」「違いを認める」寛容性がない
働く人の価値観が多様化してきていることも理由の1つです。まわりを見渡すと、以前は「男性の正社員」ばかりの職場であっても、現在は、女性、シニア、外国人、他にも契約社員やアルバイトなど様々など多様化しているのです。過去の経験や立場が異なる人々が一緒に働いているのです。「違いがある」「違いを認める」前提のコミュニケーションが必要なのです。
新しいマネジメントスタイルへの不適応
また、ダイバーシティにより部下指導の方法も大きく様変わりしています。「叱られることに慣れていない」若い世代が増えてきています。「教える」「出来なければ叱る」というマネジメントはもはや通用しません。今、始動の現場で求められていることは「部下の強みや、やる気を見出して活かす」方法です。
多様なコミュニケーションツールを利用した対話力低下
EメールやSNSを使ったコミュニケーションは、対面でのコミュニケーションとはいくつかの相違点があります。留意点もあります。が、余裕がなく一方的なコミュニケーションは誤解や摩擦を増やすことも多く、本来ならば、慎重になるべきなのですが、その点が全く配慮されていないのも問題です。
このようにパワーハラスメントが起こる背景には、違いを認めない不寛容性や新しいマネジメントへの不適応、そして、指導する側の対話力の低下などがあるのです。
そこに来て、今、コロナ渦です。テレワークという新しい働き方の選択肢が増えました。テレワークにおけるコミュニケーションの在り方、指導の在り方は当然変わってくるでしょう。
また冒頭にお伝えした通り、この長期的な不安にさらされている中で働く人の心が疲弊し、ネガティブ感情を発散できないまま抱え込んでいる状況も多々見受けられるのです。いつ誰にハラスメントが生じるかもしれない状況とも言えるわけです。
だからこそ、今、パワハラ予防に手をつけるべきなのです。そうでなければ、会社へのダメージは相当大きくなるはずです。ですが、ハラスメント予防の対策窓口をつくる、社内啓発をする、研修を実施するだけでは根本解決にはなり得ません。
お示しした通り、管理職は新しい部下指導のマネジメントスタイルを知り、対話力を上げる必要があるのです。ポストコロナ時代を見据えた「人材育成」戦略、そして新しい「部下指導の在り方」に今こそ会社全体として取り組むべきなのです。
さて、御社には、人材育成、部下指導に戦略はありますか。今こそ、パワハラ撲滅への気概はありますか。
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