で、いつやるの?
「それはいつまでにやるのですか?」
私が経営者の方とのミーティングにおいて、必ずお聞きする質問です。基本的に世の中のあらゆる仕事には期限があります。誰にとっても時間は有限ですから当たり前です。さて、当コラムをお読みの皆さんはどれくらいの経営者の方が期限を決めていると思いますか?
私の経験上、驚くべきことに8割以上の方は期限を決めていません。冒頭の質問に対し、経営者の方からよく言われる台詞として「できるだけ早く」「時期が来たら」「手が空いたら」「人が雇えたら」「もっと利益が出たら」など、条件めいたことが挙げられます。
厳しい言い方をすれば、これらは単なる言い訳にすぎません。いや、言い訳にもならないでしょう。会社は常に何かが不足している状態です。こんなことを言っていたら、いつまでたっても何もできないことになります。とある公的支援において、1年後に訪問し同じ質問をすると、まったく状況が変わらず、びっくりするくらい同じことを言われることもあります。これはこれですごいことなのかもしれませんが。
仕事の期限を切らないということは、この8割以上の会社は成果が出せず、現状維持すら難しい状態となります。ダラダラと先延ばしにしているのですから、当たり前の現実です。
経営者で一番重要な仕事は「決断」することだと言われます。やる、やらないを決めるのは当然です。私に言わせれば、決断のキモは「期限を決めること」に他なりません。だれにとっても時間は最重要なファクターなのです。
期限を決めるために1つ良い方法があります。それは「経営計画」をつくることです。裏を返せば、期限を決めていない8割の経営者は経営計画をつくっていないのです。すべてが思い付きの行き当たりばったり経営です。企業生存率には諸説(日経ビジネスによればベンチャー企業は5年で15%)ありますが、個人事業主まで含めると体感的には10年で2割程度しか残らないイメージです。生き残る企業は、レベルの違いはあれど、何らかの計画を立てています。
一方、経営計画策定の提案をしても、「できるだけ早く」「時期が来たら」「手が空いたら」「人が雇えたら」「もっと利益が出たら」といって先延ばしをする経営者は少なくありません。まあ、無理やりつくってもらっても絵に描いた餅となりますが。創業当初は志を持って燃えていた経営者も、ある程度時間が経つと悪い意味で慣れてしまい、惰性の経営に陥ってしまいます。
経営者は絶対的に未来志向であるべきだと私は思います。想像した未来を実現していく過程こそが経営です。そこに時間軸がなければ、上手くいくはずがありません。期限を決めることは経営の本質です。「いつまでにやるのか」。何をするにしても、必ず期限を決め、実行するように心掛けましょう。
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