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今、経営トップに身につけてもらいたい「情報消化力」―「情報発信(アウトプット)」には「実体験」という「消化酵素」が必要―  

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

経営は日々勉強です。特に経営者ともなれば、従業員の立場に比べて格段にインプット情報は多くなるはずです。その中には、自ら意図的に取りに行く情報もあれば、自然に入ってくる情報もあるでしょう。

いずれにしてもそういった情報は、経営者のポジションならではのものも多く、そのすべてが学習の対象になるはずです。

そういった情報をもとに、経営者は様々な判断や方針を打ち出して、経営に役立てているのではないでしょうか。

そんなポジションにいる経営者に私は

「いつも情報収集(インプット)だけではもったいないので情報発信(アウトプット)も同時に行なってください。」

とお勧めしているわけです。

しかしながら、「情報発信(アウトプット)」に取り組まれる経営者はまれで、ほとんどの経営者がその領域までは踏み込んでおられません。

私は常々

「経営者の場合、情報収集(インプット)については普通の勤め人以上に、量的にも質的にも多くの機会を得ているはずだが、何故それが情報発信(アウトプット)にまでつながらないのだろう。」

と疑問に思っていました。

「せっかくのインプットが、経営者の中にとどまっていてはもったいない。」

と考えていたのです。

しかも「情報発信(アウトプット)」には、他者との差別化販売促進効果など、様々なプラスの効果を想定することができます。

私としてはインプットからアウトプットへの流れはごく自然なもので、経営者であれば誰でも当然取り組むべきものと思っていました。

しかし、よく考えてみると、「インプット→アウトプットが当たり前」と短絡的に考えるのは間違っていたのかも知れません。というのは、せっかく情報収集(インプット)しても、その情報を咀嚼し理解し自分のものにしなければ情報発信(アウトプット)には、つながらないからです。

つまり、インプットした情報を、一度自分の中で消化し吸収した上でなければアウトプットまでは行かないのだ、ということに気づいたわけです。

振り返ってみれば、このことに関する疑問というのは昔から抱いていました。現代社会では、情報は場所を選ばずに取ることができます。テレビや新聞といった従来のマスメディアでは、ローカル版に加えて全国均一の放送や配信が成されていますので、それを見れば都会も田舎もなく同質の情報が得られるはずです。

ネットの世界に至ってはもっとフラットで、差がつくとすれば、それは情報を取りに行った人と取りに行っていない人の間だけであって、都会や地方といった違いはありません。

しかしながら、都市部における経済環境の近代化が進み、そこで働く人々のビジネス感覚が現代的に変化してきているにも関わらず、地方においてはそういった進化が見られず衰退する一方です。

つまり、都会と地方のビジネス格差は開くばかりなのです。

こういった状況を長年見ていて私は

「情報の取得という点においては平等であるはずなのに、何故、ビジネスに対する意識に格差が生まれるのだろう。」

と不思議に思っていました。

「新聞やニュース、経営や経済関係の雑誌やテレビのビジネス特集番組、すべて日本国内においては平等に見たり読んだりできるはずなのに、地方のビジネス感覚が変わらないのは何故だろう。」

と、長い間疑問だったのです。

私がお勧めしている「情報発信(アウトプット)」という手法も、こういったビジネスに対する感覚が変わらなければ、このままではなかなか浸透しないのかも知れません。思い出してみれば、この状況は私が地方でビジネスの世界に入って20数年、あまり変化していないようです。

つまり、情報というのは全国津々浦々平等に与えられている、言い換えればインプットのチャンスはフラットであるにもかかわらず、それを活かすという状況が、地方の場合、あまり生まれてきていないのです。

私はその原因として、情報の取得において大きな格差があるわけではないのに、それを活かせないということは、おそらく情報の咀嚼と消化がうまく行なわれていないのではないか、と考えるようになりました。

それはつまり、情報という料理は全国平等に与えられているにもかかわらず、それを咀嚼し消化し栄養として身につけ、再びエネルギーに変換して放出するというプロセスが円滑に回っていない、ということになります。これはいったいどういうことなのでしょうか。

ところで、食べ物を消化するには「消化酵素」というものが必要です。

酵素がその機能を発揮して食べたものを消化する手助けをするわけです。情報もそれを消化吸収するための「消化酵素」が必要なのではないでしょうか。それでは、ビジネス情報における「消化酵素」、様々な情報を消化して身につけるための「消化酵素」とは何でしょうか。

私は、それは「実体験」ではないか、と思っています。

つまり、文字や映像といった2次元情報がなかなか身につかないのは、それが現実化した状況として想像できないからではないかと思うのです。

世の中の先端的な情報が、現実のものとして実践されているという状況を目の当たりにすれば、情報が単なる2次元の世界の中のものではないことが実感できるはずです。

普通の人間にとって、この実体験がなければ、最新情報も画や文字の世界の中の出来事としか認識できません。つまり、映画やドラマの中の空想的世界でしかないのです。

しかし、実際それが高度に機能している現場を体験すれば、最新情報が絵空事ではないことが実感できるはずです。

そういった効果を得るためにも、経営者は広く世界を見るべきなのです。

機会を作っては、都市部やできれば海外も含めて広くビジネスの世界を把握すべく、見聞を広めなくてはなりません。理想的には実際のビジネスでかかわるのが一番早道なのですが、多少の接点を持つだけでも構わないと思います。

そういった実体験が、先述の「消化酵素」となって、地方である地元で得た2次元情報も、立体的に捉えることができるようになるのです。

そういう意味では、経営者はできるだけ最新情報の先端にあるビジネス現場に触れる機会を自ら作るべきです。

その実体験の積み重ねが、強力な「消化酵素」となって、取得情報を消化して身につけることが習慣化されていくのです。

情報収集(インプット)は、文字や画といった2次元情報だけでなく、体験という3次元情報も加えて、身につけられるように努力してみてください。

そうすれば、劇的にビジネスを実践する推進力が増す、という結果がでることを保証します。

 

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