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売り込むことよりも、売れる環境づくりを大事にする理由

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「今度、大きな舞台でのプレゼンがあるのですが、トップ企業のブランド力が強く、正直自信がありません」

同社は、とある地方のうどん製麺会社で、トップブランドの「お土産用うどん」に太刀打ち出来る術がなかなか見つからないとのこと。

トップブランドを駆逐したい…。
 せめても、追いつき、追い越せのステージまでは持っていきたい…。

事業家なら、そう願うのはしごく当然です。

このような場合、中小企業のとる戦略として、消費者に目を向けるのではなく、いったん小売店に焦点をあわせるのが有効です。 

と言うもの、よくあるお土産のトップブランドと言うのは、その商品が欲しくて、欲しくてしかなく購入している『積極購買ユーザー』ではない可能性が高いからです。たいていは、お土産屋さんで『何かないかなーと探すなか、無難な選択をしている』ことが多いものです。

であれば、トップブランドとの明確な対抗軸を張って、差を見いだし、店頭で勝負を試みるのが有効な一手となります。

例えば、テンピュールという世界トップブランドの低反発マットレスに対して、高反発マットレスと真逆のコンセプトを持って、事業規模をたった4年で30倍にも飛躍させたエアウィーブ社が、明確なる対抗軸のお手本となります。

うどんであれば、太麺VS細麺。コシの強さVS柔らかさ…などなど、対抗軸を洗い出し、そのなかでターゲット層が明確に見え、その人達が“欲しい!”と思えるようなコンセプトを打ち出すのです。

そして、そのコンセプトなら勝てるかも!と確信を得たら、1店舗でも2店舗でも少ない店舗数で「勝てるまでPOPを弄ったり、陳列の工夫」をしてみるのです。

エンドユーザーに広告を打ったりしてムダな販促費をかけるのは止め、流通サイドに『実験』と称して商品を無償提供(売れたら流通サイドが丸儲け)するなど、効果的なお金の使い方をすれば、充分実現可能です。

小売店から見れば、限られた棚に売れない商品を置くより、確実に売れる商品を置きたいものです。地代家賃に対し、売り場効率が上がれば上がるほど、利益がでるのですから当然です。

であれば、我が社のスタンスとしては「うどんを売る」という発想ではなく、「売場効率の上がるうどんを流通サイドに提供する」という発想にした方が、流通ウケはよくなります。

  • どんなPOPだったら売れるのか? トップブランドとの売上差は?
  • どんな陳列をしたら売れるのか? トップブランドとの売上差は?

と、商品を売ることに焦点をあてるのではなく、流通が当社商品を置いた方が儲かることに焦点をあてるのです。

一見同じに見えますが、意識を徹底するのとで、行動レベルでは、全く違った結果になって現れます。

  • 売場効率が上がったのか。
  • トップブランドとの商品回転率の差は?
  • 小売が最終的に受け取る利益にどの程度の格差が生じたのか。

などなど、データをしっかりと蓄積して、駅・空港、道の駅などお土産屋さんに営業をしていけば、横展開の成功確率があがるのはある意味当然です。

駅や空港、道の駅などのお土産屋さんで、よく見る商品は「有名なのかな…」って錯覚し、ついついお土産として買ってしまうもの。

だからこそ、エンドユーザーに売り込むことに焦点を当てずに、流通サイドをいかに巻き込み売れる環境をつくっていくか…に焦点を当てる方が大切なのです。

急がば回れ…。

商品を売り込むのではなく、売れる環境をつくりあげることが大切です。

 

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