開発テーマが社内で猛反対された時に経営者と開発者が考えるべきこと
「先生、社内で提案したら猛反対されました。」
過去にご支援した開発リーダーAさんからの報告です。
ある開発テーマを考え、それをやりたいと社内の経営会議で提案したところ、居合わせた役員や部課長から「失敗するからやめておけ」と猛反対されたとのことです。
普通なら意気消沈といったところです。しかし、Aさんは違います。すずしい顔をして次のように続けました。
「がぜんやる気が出てきました。」
立派にリーダーに成長されたAさんの姿が目の前にありました。
Aさんには悪いのですが、初めてお会いしたころは、お世辞にも・・・といった状態でした。それから月日が経ち、目の前にいるAさんの見違える姿には、涙が出るほどうれしくなりました。
もちろん、「失敗するからやめておけ」と言われても あきらめることなくやるという姿勢を単純に賞賛しているのではありません。また、それを奨励しているのでもありません。闇雲に考えたテーマや無茶なテーマを 社内の反対を無視して進めるのは考えものです。
しかし、Aさんが考えたテーマは違います。当社のご支援を受け、正しい考え方と正しい手順を経て到達した、考え抜かれたテーマです。それが、社内で理解されずに反対されたのです。この考え抜いたテーマが社内で反対されたというのは、実は非常に良い兆候です。良いテーマが選定できた証拠なのです。Aさんもそれがわかっているので、がぜんやる気が出てきたのです。
「なぜ、社内の反対が良い兆候と言えるのか?」
そんな意見が聞こえてきそうですが、ぜひ、次の問いを考えてみて下さい。
「社内で賛同されたテーマと反対されたテーマ、開発した製品は、どちらが他社との競争にさらされるか?」という問いです。
そうです。社内で賛同されたテーマです。Aさんは、このことに気づいているのです。
そして、この背景には、次の本質的な事実があります。
社内の多数派意見とは、同業者の多数派意見である。
社内の多くが反対するということは、多くの同業者の社内でも反対されるということです。ということは、多くの同業者が、少なくとも今は取り組まないということです。これは、大いにチャンスです。
逆に、社内のほとんどの人が賛成するテーマと言うのは、既に、同じ考えを持つ多くの同業他社が着手している可能性の高いテーマです。そんなテーマを今から始めても、過当競争になるか、競争に負けるか、他社のおこぼれにあずかるくらいしか道は残っていません。
もちろん、いくら同業者が取り組まないからと言って、取り組む価値の無い、可能性の無いことをやっても仕方がありません。そうならないための考え方や手順は既にAさんに伝えてあります。Aさんは、それを行ったうえで適切なテーマを選定しています。そのテーマが反対されたので、逆にチャンスありと判断したのです。
可能性が出てきているが、まだ、競合は着手していない、そんなギリギリのタイミングが良いのです。社内のほとんどの人が反対するが、極一部の先見性のある人が賛同したり興味を持ってくれる、そんなテーマが良いのです。
Aさんのテーマも、役員と部課長のほとんどから反対されましたが、たった一人反対しなかった人物がいました。それは、社長です。当然、社長も当社のご支援を受けているからよく分かっています。
会議では、周囲からの反対意見に対して、Aさんが必死に反論していましたが、最後に場を閉める形で社長がこう言いました。
「そんなに言うならやってみせろ。」
周囲の反対に、社長もチャンスありと判断したのです。これが言える社長は、なかなか居ません。これまた立派な社長です。
御社は、社内多数派の意見に従い、同業他社の後塵を拝してはいませんか?
同業他社の先を行くために、まず、社内多数派の先を行きましょう!
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