「まずは、作業指示書で回せる状態を目指す、それから、非効率改善が推進できるモデル店をつくる。そしてシフト表を作業指示書と偽って使っていたことを失敗だったと痛感する」
「先生、ここ数年かけて、だいぶ残業は減ってきました。店長はまだまだですが、この残業を解決するには やはり作業指示書ってものが必要だと思うのですが、その肝となる部分ってなんでしょうか?」
とある チェーンの経営者からのご相談です。
作業指示書とは、日々の作業内容を示す「業務項目」が書かれたものです。そのポイントはいくつかあるのですが、大事なことは「誰が見てもすぐにわかる」ということと、「形が決まっていて、その活用手順が決まっている」という2点です。
「なんだ、そんなことなんですか?」という声が聞こえてきそうですが
そう、「そんなこと」と言われるぐらい実に当たり前のことなのですが、この「業務項目」の意味が共有されていないと、行き違いで業務が滞り、「こんなめんどくさいものやってられない」といったネガティブ意見に押さられ、会社のおもわくと逆方向に進んでしまうということです。非常に悩ましい問題ですが、ここは多くの企業が足を取られる点といえます。
こう言いますと「業界用語辞典を使って…とか、社内用語統一冊子を作って…とか、」という意見もでてきそうですが、そういったことではありません。
日頃社内で使われている、業務用語を一度洗い出し、その中で、よく使われる主要業務項目の意味を改めて定義設定していくことです。こう言いますと、「うーん、結構大変そうだなあ~」と思われますが、これには、もう一つの役割があって、机上で、必要な業務、不必要な業務を見極めていく大きな目的がある。ということです。
生産性改善の取り組みというと、現場に行って問題点を洗い出し。計測をして…と思われがちですが、それは極一部にすぎず、殆どは、その前準備と後作業に時間がかかります。そこで、業務用語の意味が明確にすることで、半分は、作業指示書作りが進んだも同然。とハッキリ申し上げています。
そもそも、人の手に関わることの多い小売チェーン企業ほど、作業指示書は無くてはならないもののはずですが、この半世紀は、売上が伸び続けたことを背景に、さまざまな理由で先送りにされてきました。そのため、実際にLSP等を使いこなし生産性を上げている企業が、皆無に等しいのです。
その他にも取り組みが遅れた原因は、言い出せばきりがありませんが、前出の社長の質問に答えるとすれば、この業務項目を厳選し設定することが、まさに肝と言えるでしょう。
LSP(レイバースケジュールプログラム)の基となるのは、作業指示書でそこに記載される「業務項目」は、誰でもわかり、同じレベルで仕事ができるようにしていくか?ことが必須となります。
「社内用語なら、うちは、ある程度揃えられているから」というおっしゃられる企業でも、これをつくる時は、新しい人が採用された人が見てもすぐ分かるレベルものにしてください。と申し上げています。日々やってきた業務をやるのは簡単でも、それを言語化するには、想像以上に手間がかかるということだからです。
ところが、ここを適当にやろうとする企業が多く、そのため、生産性の低いやり方を続けていること自体に気づかないのです。この差が1年後、2年後になり大きな差となってでてくるのです。たかが「業務用語」ですが、されど「業務用語」で、これを明確にできるかどうかによって、一言で通じる店舗運営ができるようになるだけでなく、本部から出される、業務連絡の内容が、わかりやすくなるからです。
何でもそうですが、試行錯誤によって導きだされた答は、必ず次の扉を開けるカギとなるということを忘れてはならないということです。
こういったことは、本や、ネット情報調べても、似たようなことは出ていても、その答えは出ていませんし、片手間でやろうとしても決して出来るものはありません。プロジェクトを設定し、改革の根幹部分から再設計していくことが重要となるからです。
今は、インターネット情報への依存から、曖昧な言葉の使われ方で混沌としている時代です。だからこそ、企業内で扱う「業務項目」を考え厳選する。ことの重要性が、かつてないほどに高まっています。
実際に、このノウハウを学び、実践法を手にされた企業では、直近の人口減少の数年間でも、年間数千万~数億の増益を実現しておられます。
詳しくは、セミナーでお話しさせていただきますが、人時を軸に構造改革に取り組むことは、業績を上げるだけでなく、それを再現し成果を上げ続けることのできる幹部社員の思考力を高めることに大いに役に立っているということです。
さあ、貴社におかれましては、まだ、出勤シフト表を作業指示書と偽って使い続けますか?それとも、本物の作業指示書実践法をビジネス幹部養成の要として、大きく飛躍しますか?
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