大手企業のコンサルティングが、中小企業で使えない理由
経営者の集まりなどで、よくいただく質問の一つに、「大手コンサルティング会社というのは、どうなんですか?」というものがあります。「どう?」と聞かれても…という感じで、少しアバウトな言葉なのですが、要は…
- 「大手コンサルティング会社を使って効果はでるのか?」
- 「コンサルティング代がものすごく高いけれど…」
- 「妙な噂をよく聞くのだが…」
- 「個人コンサルタントだと、何となく不安を感じるのだけど…」
といったことが、色々含まれて「どうなんですか?」といった言葉に出てきているかと思います。
結論から申し上げれば、同じ「コンサルティング」という言葉を使っていても、まるで性質の違うもので活用方法もまるで違う…、ということになります。つまり、多くの中小企業の経営者が期待する、苦境からの転換、儲かる仕組みづくりや骨太な事業体質づくり…などは、期待できないということです。
最大の理由は、「値段に合わない」からです。
数千万円から億単位にもなる、大手コンサルティング会社への依頼は、それに見合うだけの売上利益、またはコストカットが見込めなければ、到底割に合わなくなります。
つまり、新たな10億円や100億円の「アラ利」が見込めるのなら、億単位のコンサルティング代も十分考えることができるということです。「新たな100億円のアラ利」という事業計画を考えられる企業とは、当然、現在の売上で数百億円から1千億円以上はある企業ということです。
ただし、これだけ大きなアラ利をつくり出すことは、ちょっとやそっとの施策ではまず無理です。いかなる事業も、経営者の炎のような事業欲、決断を伴ってはじめて大きく成長するのであって、外部の人間が少しいじった程度で新しい物ができることは、ほとんどありません。
このため、10億円や100億円単位で企業にとって貢献できること…となると、「コストカット」「リストラ」…ということが、現実的ということになります。大きな企業には人も経費も削るだけの大きさがあるからです。
大手コンサルティング会社が主に手掛けているのが、コストカット方面であるのは、こうした理由が大きいのです。つまり、事業の本体以外で、億円単位で削るだけの体力があるのであれば…というのが、一つの指標と言えるでしょう。
中小企業の場合、削るより創り出す必要がある、ということは言うまでもないことです。ゼロから1、1を10に100にしていくことが求められるのですが、こうしたことを理解し、指導できる人ととは、勤め人の時代にそうした経験をしてきた人、また自ら起業してコンサルタントになっている人…ということです。
いずれにしろ、「何の目的で依頼するのか」この最も当たり前で、しかし最も重要なことを確認できているか…こそ重要なのです。
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