巣ごもり消費と通販化社会

2019 年度の小売業の総売上高は約69 兆9,000 億円となった( 日経新聞社・19 年度小売業調査)。この中には、通販売上トップのアマゾンジャパンの約1 兆7,400 億円も含まれており、今回の売上高ランキングでは4 位に付けている。
このランキングのトップは約8 兆6,000 億円のイオンだ。この2 社の売上高を比較すると大きな開きがあるが、前年比伸び率については、イオン1%に対してアマゾンは14.3%と、二桁増を維持しており、2 社の売上高の開きは、急速に縮んでいく方向性にある。
また新型コロナによる外出自粛などの消費行動の変化により、通販利用が拡大していることから、アマゾンのEC 市場における占有率もさらに高まることが予測されている。
同様に、このコロナ禍で堅調なのがテレビ通販だ。富士経済研究所の調査によると、今年3~6 月の月毎のテレビの世帯視聴率が過去5 年間と比べて1~5%アップしており、長引くコロナ禍が巣ごもりの生活様式に合うテレビ通販の追い風になっている。
テレビ通販実施会社からは、「緊急事態宣言中、新規顧客が増えた」「カタログ通販やネット通販に比べ、目的買い以外の新規顧客を取り込みやすい」「化粧品、健康食品などのリピート商材の売上が、前年同月比で20%以上伸びた」といった声が聞かれた。
新型コロナがある程度収束するまで、1~2 年はかかると言われており、三密を避けるための巣ごもり消費は、日常として定着すると見られている。
通販化社会におけるこのニューノーマル( 新常態) は、新しいサービスや商品を生み出す手がかりとなるはずだ。
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