【感性を高める】感性を磨く基本
あなたは感性の鋭い人ですか? それとも鈍い人ですか? 今回は色々な意味で「感性」そのものの基本になる部分を磨く、最も単純な方法を御紹介します。
こんにちは、茶人・小早川宗護です。私は茶道裏千家の師範として30名の直弟子を指導しつつ、最もハイレベルな茶会、茶事をビジネスとして展開しております。
さて、少し考えてみて頂きたいのですが、今の生活が満ち足りていると感じる事はありますでしょうか。多くの人は「いや、まだまだ足りていない」と感じると思います。もっと儲けたい、もっと豊かになりたい、もっと楽しみたい、など人の欲求は留まることを知りません。
しかしながら、皆さんは朝目覚めたからこそ、この記事をお読みになっています。指があるからこそパソコンやスマホをいじることが出来ますし、心があるからこそ色々なコラムを読んで「ふんふんなるほど」と思う事も出来ます。しかし、それが出来ない人、つまり手足に欠損があったり、目が不自由だったり、最もつらい場合は、朝目覚めることなく人生の終末を迎えるかたもおられます。
そういった状況に比べて、私を含めて皆さんは、いかに満ち足りているでしょうか。五体満足のまま目が覚め、飯を食い、仕事に出かけられる。この至極当たり前なことほど満ち足りた物は無い、と言うことに気付くことを禅の世界では、「知足(ちそく、足るを知る)」と呼びます。
この知足の感覚に本気で目覚める事が出来れば、周囲にある様々な物事を繊細な感覚で見つめることが出来るようになります。それまでに学んできた多くの物事の全てが無駄なく活かされ、何もかもが教養に生まれ変わっていくのです。そしてその教養に基づいて更に感覚を研ぎ澄ましていくと、それが「優れた感性」になるのです。
では、その感覚をどうすれば磨く事が出来るのか。
方法は非常に単純で、単に「過去あった、嬉しかったことを全て、余すことなく書き出す」だけです。非常に単純な方法ですが、お察しの通り、単純だからこそ難しいのはお約束。
例えば小学校時代にいじめられていたら、それがあったからこそ今がある、と言う事に気付く必要があります。社会の中で人に裏切られたからこそ、今の感覚を身に付ける事が出来ているのです。会社経営の中で人に騙されたことがあるからこそ、今の防衛本能を磨く事が出来ているのです。今を作りあげた全ては、それらが起こった瞬間は嫌な事だったとしても、見方一つで「今の自分を作りあげてくれた、素晴らしい出来事」に生まれ変わっていくのです。
そういった良い事や悪い事も含め、「過去にあった、嬉しかったことを全て書き出す」と言うミッションをやってみてください。何ヶ月もかかりますし、大学ノート1冊ではとても足りないかもしれませんね。でも、それを本気になって取り組めば、かなり今の状況が「非常に満ち足りている」ことに気付くと思います。
そしてそれが、感性を高めるための第一の手段、「知足」となり得るわけです。
勿論会社経営の立場にあるわけですから、「満ち足りていない」と言う感覚をもとに企業を成長させなくてはいけません。しかしながら、それと同時に「朝、無事に目を覚ますことが出来たことに感謝できる」人物になる必要があるのです。そしてその感謝の気持ちを元に、更なる次の段階へと進んでいく。これが「感性を高める」と言う行動なのです。
「感謝」と言う気持ちを持てないのは、二流経営者の証とも言えるでしょう。
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