脱、価格競争!!
先日、ある経営者の方から『他社と価格競争になってしまい、売上も収益も上がりません。どうしたら良いですか?』という相談を受けました。
あらゆるマーケット全体の傾向であり、『安くしなければ売れない』と思われている傾向があります。これをコモディティ化というのですが、所定の製品カテゴリー中の製品において、製造会社や販売会社ごとの機能・品質などの差・違いが不明瞭化したり、あるいは均質化することを言い、これが進むと違いの分かりやすい価格だけの競争に陥りやすくなります。
しかし、このような価格競争の先には何があるのでしょうか?
『他が安くしているから、うちも下げざるを得ない。』
20世紀のように、量産してコストを抑えて沢山売る戦略は顧客のニーズが多様化している21世紀は売れなければ大量な在庫となってしまいます。一方で原価を抑えると、商品自体の品質が落ちてしまい本末転倒になってしまう可能性もあります。
では、中間コストや間接コストを削って利益を確保する。これはこれで、スタッフの雇用の問題や処遇にも影響が出てきます。
つまり『この価格競争は一時凌ぎでしかなく、繰り返した先には何も残らない!』ということになります。
私もコンサルタントとしてサポートさせている企業様でこの価格競争のスパイラルに陥ってしまっている企業様が多くあります。
何故、そうなってしまったのか?
ズバリ『それが一番、楽であり考えなくて済むからです。』
他社がやっているからそうせざるを得ないということにしていますが、それは言い訳であり、自社の商品・サービス向上に目を向けずに楽な方向に走ってしまっているのです。
それでは、価格競争から抜け出すにはどうしたら良いのでしょうか?
〇他社を圧倒する差別化
〇商品を見直して、お客様に買っていただける魅力のある商品開発
〇お客様のロイヤリティを高める付加価値の提供
〇お客様の満足を感動に変えるスタッフの教育
など・・・。
どれも面倒であり、時間がかかることだらけです。
しかし、このようなことを考えて仕掛けないと『脱、価格競争』にはなりません。これからの時代は中途半端な価格を下げる戦略だけでは生き抜けません。
その中でどうやって、価格競争を抜け出し、他社と差別化できるのか?
それには、
お客様の期待に応える等価価値(サービス)の提供から、
お客様の期待を超える付加価値(ホスピタリティ)の提供が必要です。
例えば居酒屋においての商品とは、料理、飲み物はもちろんですが、空間、クリンネス、接客、スタッフの身だしなみ、居心地、メニュー等、全てが商品です。
お客様は、その全てを評価して利用しているのです。まずは、そこに気付くことが重要です。
そして、その全てをお客様目線で、お客様が嬉しいと思ってもらえる視点で徹底的に見直すのです。
分かりやすく言えば、
・ホコリひとつ無い清潔な店内
・居心地の良い空間とBGM
・予約のお客様をお名前を呼んでお迎えする。
・予約席にはスタッフからのウェルカムカードが置いてある。
・会の趣旨をヒアリングできていて、お祝い事であればスタッフからも祝福をする。
デザートのお皿に祝福メッセージが書いてある。
・この店のこだわりやお勧めが分かり易く目に付く。
スタッフからも、そのお勧めメニューの解説がある。
・グラスが空きそうな時にお替りのドリンクの声がけがある。
・お見送りは店の外まできちんとする。
これは一例ですが、このようなことが予約からお帰りまで全スタッフに徹底されていること。このようなことは、マニュアルだけでは網羅することができないので、スタッフひとりひとりが、お客様の事を主体的に考えてサービスをしなければ実現できません。
このようなサービスをホスピタリティ型サービスと呼びますが、それを設計、体系化することが他社との差別化であり、付加価値の提供です。
ポイントとして大切なのはお客様にとって嬉しいことであり、自社にとっての自己満足ではありません。
お客様に価格以外の価値で選ばれる、ホスピタリティ(付加価値)の提供を実現していただけたらと思います。
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