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現場の「人が足りない」「価格で負けてる」の声に押され、取り組みをどこまで先延ばしにしますか?

SPECIAL

人時売上改善コンサルタント

株式会社 レイブンコンサルティング

代表取締役 

儲かるチェーン店をつくっていくには、時代はいま、「画一化」から「個店力最大化」へと変わっている! 多店舗展開するスケールメリットと、一店一店の魅力を強くして収益力を圧倒的に強くしていく実務とは…。

「先生、現状の人員で足りてるかどうか分からないまま、さらに人を減らそうとして、この先、商売ができるのでしょうか? 」

プロジェクトに新たに参加された 店長さんからの質問です。

――――この先、毎年5%売上伸ばすかあるいは、皆さんの給与を2割減らすか、人員を2割少なくしないと、会社が残らないと、言われたらどうしますか? 

すると、別の店長からも こんな質問が出ます。

「競合が低価格で毎週チラシを打ってきて、競合の方が値段が安いのです。それがうちでも出来れば互角に戦えるはずです」

――――それを実現するためには、そこから、給与をさらに2割減らすか?人員を2割減らす。つまり、人件費トータル4割削減ということになりますが、それに協力してしていただければ十分可能です! 

「えっ」っと2人の店長はお互い顔を見て、言葉に詰まります。

そして 伊藤は申し上げました。

店長の皆さんが、決して、手を抜かれているということではありませんが、前年売上維持が出来れば、小売りチェーンが存続できた「時代」はとうの昔に終わっているということです。

人口が増えていた時代、売上は微増でも 社員給与を上げることは出来ました。まだ、全体の人件費が安かったからです。それが、人口減の時代で毎年売上減となり、労働人口減によるパートアルバイトの単価上昇で、販管費は増加しています。

今、小売りチェーン多くは、販管費が0.2%~0.6%のペースで、毎年上がり続けています。現状、営業利益率3%で売上が維持できたとしても、0.5%ペース上昇し続ければ、6年目には営業赤字となる計算です。もし、売上が少しでも下がれば赤字転落化のリスクはさらに高まるということです。

粗利を上げるための交渉は、商品部にもちろん頑張ってやってもらうわけですが、原価交渉にも限界があり、「優位的立場を利用して・・・」というふうに公取からの指摘を受ける企業が後を絶ちません。この先末永くきちんとした商売を続けていくためには、まず、取引先に依存する前に、自社努力で販管費を引き下げ下げることに取り組まなければならないということです。

そうは言っても、人ひとりが出来る作業速度も限界があり、1割ぐらいはスピードアップで出来たとしても、これを2倍3倍にすることはできません。むしろ、そういったことより効果が高いのは、今やっている業務について、本当に必要なのか?といったことです。

「え?何を言っているのか?無駄な作業などない」という声が聞こえてきそうですが、

モノが売れた時代と、売れない時代では、店舗作業が多かれ少なかれ変わってきます。その多くは、分業で行われていることから、一つ減らすだけでも、関わっている部門の業務量が減っていく事になります。例えば、チラシ体制なども、短期間で大量にモノを仕入れても、商品が売れたことから、価格変更や、商品移動に大勢の手をかけやってもその人件費は吸収することが出来ました。

今は、チラシそのものの集客力が弱くなり、短期間では、少量しか売れないことから、訴求期間を伸ばしたり、訴求アイテム数を絞ったりして、売場移動の頻度や動かす商品量が減ってきています。

こういった変化に気づかず、今まで通りの人員シフトで回そうとすれば、商品販売量が減っているのに、多くの手をかけ続けれることとなり、営業利益がどうなるかは火を見るよりも明らかだからです。

商品価格が高いという問題も、同じです。商品価格を引き下げる権限を持ってるのは商品部ですが、その原資を生みだすのは、店舗運営部にあります。

「どういうことなのか」という声が聞こえてきそうですが

商品原価は下げれないことが分かっている。であれば、販管費を引き下げ、それを、商品原価に投資し値段を引き下げる構造にすることで、初めて同一商品なら「うちの方が お安いですよ」という価格戦略がとれるようになるからです。

商品価格で勝つためには、社内で最も高い経費となる「人件費」を先に店長が、下げない限り、勝つことは出来ないということです。

そのガイドラインが、現状より4割減で回すことで、実現できるというビジョンを提示したということになりますが、言い方を変えますと、現状の人時売上の1.4倍が達成できれば、こういったことも決して夢ではないということです。

実際に、お手伝いさせていただいている企業では、数年でこういった数値を達成させ、価格強化で、他社を寄せ付けない体制を築き上げているチェーンもあります。

各社のお考えがあるので、それをどうこう言うつもりはありませんが、大事なことは、そのプロセスであり、全体効果を最大限に引き上げていくためには、どこから手をつけていくべきか?

経営として その骨格づくりと、結果を出す店長育成の体制が出来ていなければ、何も変わらないからです。

さあ、貴社では まだ、現場の「人が足りない」「価格で負けてる」との声に押され、取り組みを先延ばししますか?それとも、結果を出すプロセスに着手し、成長を計画通り手にしますか?

 

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