昭和な会社と令和な会社
このところ、さまざまな会社さんとお付き合いしていて、表面的にはあまり変わらないように見えても、その実だいぶ肌合いが異なることがわかってきました。同じ業界にあって一見同じように見えるお悩みでも、会社の体質によってその中身がだいぶ違うのです。
コロナショックの影響はあるものの、SDGsへの対応を進めるなど進化を止めない会社もある一方で、相変わらず昭和の古い体質を引きずった会社も数多く生き残っており、外面から見ただけではわからないけれど、月とスッポンほどの大きな差異が生まれてきています。私は前者を「令和な会社」、後者を「昭和な会社」と呼んで区別することにしました。
1. 社員への要求
心構え:昭和な会社は職場への忠誠心を求め、令和な会社は顧客への奉仕を求める。
成果について:昭和な会社は変わらないことを報告し、令和な会社は変化を報告する。
2. 経営理念
昭和な会社は額縁に入れて飾られたものを朝礼で斉唱する。
令和な会社はミーティングで共有されたものを判断基準に使う。
3. 退職
昭和な会社は中高年が花束とともに職場を去り、その後滅多に職場には来ない。
令和な会社は若年層が高給とともに職場を去るが、その後も緊密な関係を保ち続ける。
4. 社長との距離
昭和な会社はわきまえるべきもので、自己防衛もあり社員のほうからその距離を埋めることはしない。
令和な会社では距離は詰めるべきもので、社員からどんどん社長に質問したりする。
まだあるかもしれませんが、とりあえず目の前にある二つの会社を比べてみるとこんな感じが浮かび上がります。
実際にここで昭和な会社の事例として参照している会社では、コロナによる落ち込みはあるものの、収益体制そのものが毀損しているわけではないため、一過性の落ち込みを乗り切れば、その先は堅調なビジネスが見込まれています。
そのためか、たとえばSDGsや気候変動への対応など、社会の変化を会社として前向きに捉えてゆく、というような議論には全くと言って良いほど無関心です。経営トップが関心を持っていないせいもあり、社員の中にもそのような話題に対する関心は低いままです。
世の中ではありがちな例かもしれませんが、SDGsや環境戦略を生業とするコンサルタントとして積極的に営業したいと思える先ではありません(とある筋のご紹介により、半分仕方なく営業対応)。
他方で令和な会社では、コロナによる危機を乗り切りつつも、新しい時代に対応して10年で売り上げを10倍に伸ばすという野心的な取り組みが続けられており、社員の間にも新しいものへの関心が高い状態が続いています。言ってみれば会社全体がハイな状態のまま日々が過ぎている、と言うような感覚です。
経営トップと社員との距離も近く、その分社員もトップも良く勉強していることが強く伺えます。ぜひ一緒に仕事をしてみたい、と思わせてくれる会社は、当たり前ですがこちらのタイプの会社です。
かつて金太郎飴のようだと言われた日本株式会社のありようは、これほどまでに大きく変化してきています。昭和な会社に新しい明日はおそらく永久にやってこないでしょう。いつまでたっても昭和の気分そのままの仕事が続けられ、残念ですが気が付いた時には茹でガエルとして身動きが取れなくなっているのだろうと思います。他方で令和な会社は変化の先取りが上手く、自らがその中身を変えることをも厭わないダイナミックさがあります。
もしもあなたが令和な会社の経営者になりたいとお考えでしたら、自ら進んで迷わず変化を試してみることです。10年先に生き残る会社として選ばれるのは、間違いなく変化を乗り切れる会社だけ、なのですから。
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