大倒産時代を生き抜くために必要なこと
今は、コロナ禍ということもあって、2月頃から大きな影響を受けている企業もあれば、GW明けあたりから徐々に影響が大きくなってきた…という企業があったりと、業種業態によって実に様々です。
良い影響を受けている企業も、悪い影響を受けている企業もあり、日本中の企業が何かしらの影響を受けているのが現状です。
ここ最近では、上場企業や大手の有名企業などの倒産ニュースなどが出てきて、「倒産」の二文字は、まさに身近に迫る大きな脅威となってきています。
普段から財務中心の会社づくりを実践していれば、今回のコロナ禍において影響を受けたとしても、「会社にとって必要な対策は何か?」を数字で具体的に把握しているので、無駄な時間を浪費することなく、根本的な課題解決につながる行動ができます。
一方で、財務中心の会社づくりを実践していない場合は、そもそも自社の現状を本当の意味で把握できていません。
「自社にとっての本当のリスクが、具体的に何なのか?」がわかっていなかったりします。
その結果、「銀行からお金を借りて…」「コスト削減をして…」「売上を増やさなければ…」という、小手先の対処療法にいそしむことになるのです。
当然、「小手先の対処療法」は「小手先の対処療法」です。
それ以上でも、それ以下でもありません。そのため、問題解決に近づくこともありません。むしろ「頑張れば頑張るほど、上手くいかない…」という負のスパイラルに陥っていきます。
銀行から資金調達をして手元資金を厚くしたり、生きたお金の使い方をすることも大事です。コロナ禍であっても事業を継続し、売上をたてることも大事です。
ですが、今のような不安定な経営環境下、いってみれば大倒産時代を控えた今日においては、自社の「根本的な課題」を把握しているかどうか、解決のための具体策を実行しているかが事業存続の生命線になってきます。
ここであなたに質問です。自分の会社にとって「どのような要因が、最終的な致命傷になりうるか?」を、本当の意味で理解できていますか。
わかりやすくいうと、当社ではかねてより「支払手形」「一行取引」「一社依存」のリスクを繰り返しお伝えしています。
支払手形のリスクは、何より「待った!」が効かないことです。
一度でも不渡を出してしまうとその瞬間に、実質的な倒産に追い込まれてしまいます。
一行取引のリスクは、メインバンクが「NO!」といったら終わりを意味します。
会社を救うことが出来るのも銀行ですが、その一方で会社を見限ることが出来るのも銀行です。実質的な生殺与奪権をメインバンクに預けることがどうなることか…ということです。
一社依存のリスクは、主要取引先が「NO!」といったら会社の命運が尽きます。
多くの場合、当の社長本人が問題意識を持っていなかったりします。日頃から問題意識を持って対策をしておかないと、万が一の時に、イキナリ大赤字となるケースです。
他にも、「高固定費体質」とか、「手元資金不足」など、倒産しやすい会社には、特徴があるのです。
いずれも一朝一夕に取り組めるものではありません。時間や根気も必要です。
大切なのは、経営の選択肢があるうちに、社長自らが正しく自社の経営課題と正面から向き合うことです。身動きできない状態になってからでは、遅すぎるのです。
経営が苦しい時ほど、真の社長のチカラが試されます。どんなに苦しい状況であっても、自社の根本的な問題から逃げずに向き合うことが最も重要なことなのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、どんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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