テレワーク社員の評価が必要な理由とは
「テレワークの社員の評価を一体どうしたらいいでしょうか?」
先日も、ある経営者から頂いたご相談です。緊急事態宣言が解除された今でも、テレワークの評価には本人も会社も悩み続けています。
どうしてこんなにもテレワークの評価に悩むのでしょうか。それは、このテレワーク社員の評価が昇給・賞与を決めることに繋がるからです。
日本では50年以上、評価は社員の処遇を決めるために行うものだとされてきました。しかし私は40年前から、評価にはもっと大切な目的があることに気が付いていました。
評価をする本当の目的は、処遇を決めることよりも社員の成長のためです。そのための人事制度をつくってきました。
昇給・賞与を正しく決めたい、つまりは社員から不平・不満が出ないように処遇を決めたい。経営者がそう思っていることは確かでしょう。
しかし、それ以上に経営者、特に中小企業の経営者は、
「何かの縁があって採用した社員に成長してもらいたい、そして社員の成長によって業績が良くなったら社員に昇給・賞与をたくさん出してあげたい」
という想いを強く持っています。
そのため私は人事制度はそのために必要であり、その人事制度の中で評価は社員を指導するために必要であるとお伝えしてきました。
「指導」の前にはどうしてもあることが必要です。それが「評価」です。
「この社員がどこまで成長しているのか」がはっきりしなければ、そして本人と上司の間でそれが一致しない限りは部下指導は有効になりません。いくらマネジメント研修に行っても、いくら管理者研修に行っても部下指導は役に立たないのです。
このことをテレワークの社員のケースで考えてみましょう。テレワークの社員から、不平・不満が出ないように昇給・賞与を出してあげることはもちろん大切なことです。
しかしそれよりも大切なことは、テレワークにおいても自分自身がどこまで成長しているのかを把握し、さらなる成長のためには何をすればよいのかがはっきりわかることです。しかもそれを上司が直接見て指導することが出来ない環境ですので、自分自身でそれを確認できることも必要になります。
テレワーク業務の結果、成果の大きさやかかった時間をきちんと計測し、より高い生産性を上げている社員がどんなことをしているかプロセスを常に共有化しなければなりません。Webツールや社内SNSを使用するなどして、毎日それを配信しましょう。
それがテレワークの社員が自分の成長段階を知ることになり、そして次の成長のための指導が可能となります。
さらにこれが出来るようになればテレワークでも社員が成長していき、会社の業績が良くなることは想像できると思います。
新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になることが予想されます。今までのように社員をどう評価してどう賃金を決めようか等と考えている場合ではなくなりました。今まで通りにしていては業績が下がり、処遇を決めるどころではないからです。
社員をどう評価して不平・不満なく賃金を決めるのかを考えるより、この環境に適応する優秀な社員を育てて行くことにシフトしてください。
日々変わる環境に合わせて、より成果を出す社員のやり方を全社員でその都度共有化することが仕組みとして必要となりました。この考え方にシフトしない限りは、社員はこの環境下で前向きに成長することはないでしょう。
ピンチをチャンスにしようというのであれば、今までの評価基準は一旦脇に置いて、今スグ成長シートを作成し、環境に適応した優秀な社員のやり方を常に共有化していく使い方、つまりチャレンジシートとしての活用をおすすめします。
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