すぐに新しいことに着手する経営者の特徴
「このコロナの状況にどう対処するかで、経営者としての特徴がはっきり出るんじゃないですか?」―― 先日、クライアント先の社長とZOOMミーティングを実施していたときにその社長がこうおっしゃいました。
「経営者がみんな社長のような前向きな性格だといんですけどねえ」と談笑していましたが、確かにこの方のおっしゃるとおり、今回の騒動に対する対応ははっきり分かれているように思います。
この変化をチャンスと捉え、実際に新しい取り組みを始めた方
我々も変わらないと…!と言いながら、世の中がどう変わるか静観を続ける方
早く元に戻って欲しいと言ったりしつつ、特に何も変えない方…
ざくっとタイプ分けするとこのようになるでしょうか。ここで特筆すべきは、最初に挙げた、ここをチャンスと捉えていち早く新しいことに手を出す経営者に見られる特徴として、会社の業績においてもこれまで好調を維持してこられた方が多いという事実です。
新しいことにいち早く着手する習慣があるから好業績を出してこられたのか、あるいは業績が好調だから新しいことに着手する余裕があるのか…、この現象をどのように見るかはいろいろな考えがあると思いますが、当社ではこの「初動の速さ」は成功する経営者のひとつの大きな特徴であると考えています。
そして、そういった「すぐになんでもやってしまう経営者」は往々にして、「早くやらなければ…」とか、「競合に先んじて…」といったことは考えておらず、「はやくやりたい!」との無邪気な気持ちから行動を取られていることが多いです。
少々失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、そういった経営者はある部分では「子どものよう」であり、新しいことに着手することに心から楽しんでいる感があります。
子どもが新しい遊びと出会ったときに、あれこれ理屈をつけることなくとにかくやってしまうように、すぐ新しいことに着手する初動の速い経営者は、「やりたい!」との気持ち先行で体が反応してしまうのです。
もちろん結果を出している経営者ですから、そんな無邪気な気持ちだけで重要な意思決定をしているわけではありません。その判断が経営上理にかなっているか、会社として本当にやるべきかを、ちゃんとロジックを持って精査するというのは当然のことです。
しかしながら、ここが非常に重要な点ですが、「やりたい!」との思いがベースにあれば、難しいことでも「なんとかやれる方法」を考えようとするのに対し、そのような気持ちがなければついつい「やらない理由」を考えてしまうということです。
この差は甚大で、経営の結果として大きく跳ね返ってくることになります。なぜなら、どんなビジネス機会においても「絶対に正しい答え」など存在するはずがなく、常に「やった方がいい理由」も「やるべきでない理由」も挙げることができるからです。
この「やった方がいい理由」を心のベースにおきながら「やるべきでない理由」を克服しようとするのか、あるいは逆に「やるべきでない理由」を念頭に「やった方がいい理由」を打ち消そうとするのか…この方向性の差が長い目で見たときに、とてつもなく大きな結果の差として出てきてしまうのです。
一見「難しそうだな」、「無理かな」と思うようなことでも、しっかり検討して仕組みをつくったらできた… 一度でもこの経験をくぐった会社は、次に新たなチャレンジを前にしたときに、「あのときも難しいと思ったけどやってみたらできたから、今回もできるんじゃないか?」というマインドになります。
このマインドをもった組織は最強です。目的と手段をちゃんと分けて考えられるよになります。自分たちは何をすべきか、何をやりたいか、との「目的」をしっかり見据え、それを実現するための「手段」を自由な心で考えられるようになります。
そういった組織が常に見ているものは、前回のコラムでも書いた「顧客の困りごと」です。お客様のために「これをやってあげたい!」― その想いがすべての原動力になります。
特に今のように時代が大きく変化するときには、顧客は必ず「新しい手助け」を求めます。そこに手を差し伸べることができるかどうか…ここが経営の分かれ道となります。
当社が「特別ビジネス」の実施を支援している理由もここにあります。顧客の困りごとに対処するためには、必ずと言っていいほど「特別対応」を実施する必要に迫られます。それを仕組みで廻して「難しい」を「可能」にする方法をお伝えすることで、クライアント企業がお客様にとっての「特別な存在」になることをご支援しています。
いま、目の前のお客様はどのような状況にあるでしょうか。御社のいままでの対応でお客様は満足でしょうか? もっと何かしてあげたい! ― この思いをぜひ形にしてください。結果的に御社のビジネスは大きく飛躍することになります。
社員が動かなければ、彼らにあれこれ指示を出す前に、社長がお客様のことを思うその気持ちを正面からぶつけてみてください。それで動かなければ、言葉は悪いですが、それはチームではなく単なるグループということです。同じ思いを共有できなければ一緒にやる意味はありません。
やりたい!との無邪気な思いを自社の存在意義にまで昇華できる会社だけが、時代が変わっても顧客から選ばれ続けます。
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