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コロナ対応の補助金がいっぱいありますが、当社に当てはまるものはありますか。

SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

「中小企業向けの補助金がたくさん出ているんですが、どれが当社に当てはまるのでしょうか?」

先日、懇意にしている社長からお尋ねいただきました。補助金専用サイトを見ると、持続化給付金、家賃補助などたくさんの支援策が並んでいて、確かによくわからない。そこで一度整理してみることにしました。

私は補助金活用についてアドバイスするときにいつも言うのは「補助金ありきで考えない方がいいですよ」ということです。補助金には色々な条件が付いていますので、その都合で、本来やりたかった事業とは違う方向に行ってしまうことがあるためです。

ところが今回のコロナショックはちょっと事情が違いました。多くの企業が軒並み同じ条件下に置かれているため、補助金の意図も明快で絞り込んだものになっています。

例えばものづくり補助金や持続化補助金といった従来からある支援施策に「コロナ特別枠」というものが設置されています。従来からある「一般枠」よりも補助上限額が大きかったり、補助率が高かったりするものですが、この特別枠の内容として次の3つが指定されています。

  1. サプライチェーンの毀損への対応
  2. 非対面型ビジネスモデルへの転換
  3. テレワーク促進のためのWEB会議システムの導入等

 

それぞれについて、今、取り組むメリットを考えてみましょう。

1. サプライチェーンの毀損への対応

たとえば外注先で生産量が落ち、部品調達ができなくなったとき。必要な設備の費用の一部を補助金で賄うことで、内製化を進め、需要に継続的に対応することができます。

外注仕事の内製化は利益向上策としてよく検討されるものの、後回しにされるケースがよく見られます。利益が出ていれば緊急を要する課題ではないですし、何より内製化するには設備導入などの費用がかかるため、そこで検討が止まってしまいがちなのです。

この機に内製化に踏み出せば、外注時には流出していた利益を社内に留保できたり、ノウハウの蓄積にもなるというメリットを期待することができます。

 

2. 非対面型ビジネスモデルへの転換

今回のコロナショックは対面ビジネスに大きなダメージを与えています。食糧品を扱うスーパー以外はほとんどの店で来店客が減り、その減少を補うためにオンラインショップの開設を検討する事業所も多く見られます。サービス業であればリアルからオンラインへのシフトが常套手段です。

このリアルからネットへのシフトですが、コロナが過ぎ去った後、再びネットからリアルにシフトバックするでしょうか?

想像するところ、おそらくシフトバックはなく、コロナ後もリアルとネットの二つが共存していくと予想されます。そして、リアルとネットは微妙に対象市場が異なるため、この二つを持っていることが顧客確保の観点から有利に働くと想像されます。

 

3. テレワーク促進のためのWEB会議システムの導入等

ここだけ社内業務のコロナ対応策が出てきています。テレワークのメリットの一つは、通勤時間が節約でき、時間の有効活用ができる、気持ちに余裕ができるという側面です。ですが、「仕事は対面が一番」とされたコロナ以前の環境下では、テレワークに舵を切るだけの動機が見つけにくかったのです。

今後、同じような感染症の流行や、近年増加傾向にある災害の発生を想定すると、ここでもやはり、テレワークという選択肢を持っていることが、事業を継続する上での強みになります。

このように見てくると、上の3つとも、通常では緊急性が低く、従って手がけることのメリットは分かっているものの、後手に回りがちなものであることがわかります。ところがコロナ危機という非常事態に直面して一気に優先順位が上がり、今後の事業継続を左右するほどの重要事項となったわけです。

これらの補助金についての申請の締め切りはすでに前半分が終わっています。これからという方、直近の締め切りを見落とすことなく、取り組んでみてください。

単なる生き残りの手段としてではなく、貴社のブランドを磨き上げる手段として活用できれば、コロナ後の事業に広がりが見つけられるはずです。

 

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