社運を左右する「社長の決断」の順序
当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関です。そのため、業種業態は問いませんし、地域もエリアも問いません。
既にZoomを利用したWEBセミナーやWEBコンサルティングにも対応しているため、一昔前であれば、「東京まで行くのが難しい…」と断念をされていた社長さんでも、「この機会にチャレンジしてみよう!」と前向きに取り組まれるケースも増えているように感じます。
オンライン化の急速な普及によって、「場所」という物理的な制約が、既に制約でなくなってきています。この時代の変化は、経営に前向きな社長にとっては、まさに追い風です。
世の中の流れにしなやかに対応して変化し、「進化し続ける社長」は、より一層、強みを増して強い会社づくりに邁進できます。時代の変化が加速化しているからこそ、益々自社の「強み」を研ぎ澄まして、強化できるようになります。
一方で、時代の変化に抗い、「今までのやり方」や「常識」・「古い固定概念」に囚われ、抜け出せない社長にとっては、さらに厳しい時代になっていきます。
特に、一番悩ましいのは「先行きが見えない」という現実に、どう立ち向かうかという点です。経営には、あらかじめ用意された「答え」はありません。
もちろん経営の原理原則や成功法則などはありますが、二つとして同じ会社が存在しないように、それぞれの会社には、個性や特徴があります。
その点を理解した上で、最後は社長が答えを紡ぎ出さなければならないのです。
飛行機に例えるなら、今の経営環境は、濃霧による視界不良のような感じです。どこで何が起きるか予測不能だからこそ、社長は、周囲に惑わされず、自らの考えで「本当にやらなければならないこと」に集中しなければなりません。
大切なのは、経営環境の変化をしなやかに受け止めて「前進することを決断する」こと。前に進むことを決めれば、「攻める経営」「守る経営」「捨てる経営」から決断を迫られることになります。
しかし、ここで多くの社長が間違えてしまいます。多くの会社が「あれも…これも…」総花的な思考に陥ってしまい、どれも中途半端で上手くいかないという落とし穴に陥ってしまうのです。
中小企業は、ヒト・モノ・カネ・時間の経営資源がたいへん限られています。厳しい経営環境下で、ライバルがしのぎを削っている世界です。
生き残るためには、勝てる分野で経営資源を集中投下させなければなりません。
もう一つ大切なことは、経営資源を集中させる「攻める経営」の決断をする前に、ひとつ「重要な決断」をしなければならないということです。
具体的には、「捨てる経営」の決断です。
「あれも…これも…」と同時進行はできません。「何かで勝ち残ろう!」と思ったら、一点突破であらゆる経営資源を集中させなければなりません。
つまり、何かを始める時は、必ず「攻める経営」と「捨てる経営」はセットで考えるべきということです。「捨てる経営」は、時に大変な痛みを伴います。だからこそ、社長が覚悟を持って決断しなければなりません。
「捨てる経営」には、自社の真の強みに直結しない事業をやめる、遊んでいる資産を売却する、不良資産を処分する、社員や取引先を見直す、ありとあらゆる部分にわたります。
特に、ヒトが絡むものは、「情」がありますので、たいへん苦しい決断になります。
ですが、今、その決断をしなければ、未来はどうなってしまうでしょうか?
あなたにとって大切な人達の「未来」は、どうなってしまうでしょうか?
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、どんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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