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テレワークは「意外と」流行らない

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オルタナティブ経営コンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

最近、さまざまなオンライン会議に参加したり、時によってはホストする機会に恵まれています。そうすると、業界や地域によって違いはあるものの、はじめのうちは皆一様にその便利さに感心するという反応が見て取れます。

具体的には、若くてIT系の業界に近い人たちが多い場合に比べて、中高年以上でITから縁遠い業界の方々のほうが強い反応を示すように思えます。

「これ、意外に使えるんじゃない?」みたいな反応を隠さないとしたらたぶんそれはオジさん、オバさんたちなのではないかと。若者は、コロナ発生以前から実はすでに知っていたり使っていたというケースが多く、彼らが認識するのは「オジさんたちも、意外とすんなり使ってるじゃん」みたいなことなのです。

全くもって、オンライン会議は地域差やメンドクサさを劇的に削減してくれますし、手軽でインターネット環境さえあれば誰にでも使えるというのが大きなメリットです。

でもそのメリットを生かすことで、知らず知らずのうちに抱えてしまうデメリットをどう補完するか、が大きな課題になってきます。思いつくだけでも、リアルの会議に比べて①時間効率が高く、余計な話ができない、②CCDカメラと目線が一致しないため、相手の目を見据えた重要な話には不向き、③テーマ以外の話題が話しづらい、と言ったようなことです。

これらは意外と重要な点で、決められた時間の間に決められたタスクをこなしてゆくオンライン会議型のソリューションだけだと担保しづらい要素です。そう言った部分はコロナがあってもなくても結局はリアルに依存するしかない部分なのです。

コロナの拡大が厳しかった数週間前には、識者の間に(多くがオジさん、オバさんたちでした)テレワークが普及した業界ではテレワークが主体になるだろう、みたいな予測もありましたが、顔を突き合わせる会議や仕事のやり方が勝っている部分がある限り、100%テレワークに移行するというモデルもまた描きづらいのです。

超長期で考えたときには、オジさんたちが言っていたように、いずれ田舎勤務を主体とするような先進的企業が注目される事例もないとは言えませんが、ここしばらくの変化で言えばテレワークの定着度も、働き方が若干フレキシブルになるかどうか、という程度に止まるでしょう。

反面、一気にオンライン会議へと移行しそうなのが、たとえば業界全体を対象とした大規模な会議や、遠隔地の専門家を招聘して実施するシンポジウムや国際会議などです。特に国際会議については、旅費などのコストや参加者の旅行手配(いわゆるロジ)がどこでも大きな課題だったのですが、オンライン会議によってこれらが見事に削減できることが分かってしまったので、もう後戻りはできないでしょう。

会議の設定から案内、運営と報告書作りまでを一貫して提供する「オンライン会議請負業」みたいな仕事もそこここで芽を出しつつあるようです。いつの時代も、変化は必ずチャンスを呼ぶ、そしてそのチャンスは先を読むセンスで微妙に、また決定的に異なるのだということです。

 

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