勝つことよりも生き抜くこと
緊急事態宣言がようやく解除されました。これから、いろいろな場所がにぎやかになっていくことでしょう。早く人に、街に活気が戻ってほしいものです。
ところで、緊急事態宣言が出されていた間の、世の中がシーンとした中でも、人でにぎわっていた場所がありました。どこかと言えば、ホームセンターの園芸用品売り場です。どうやら、家で園芸でもやってみようかという人が増えていたためだそうです。緊急事態宣言と時期が重なったせいもあって、始めるにはちょうど良かったということもあるのでしょう。
マンションのベランダで鉢やプランター2~3つでやる程度なら手軽にできますが、少し本格的に庭や畑で野菜や果樹を育てようとなると大変な手間がかかります。作物を育てるのはもちろん、それだけでなく地面から生えてくる、そうあの憎き雑草の処理です。ちょっと本格的にと思ってやってみたら、思いがけなく手間がかかったという経験を持った人もいるでしょう。
知り合いに、NPO法人の理事を務めている方がいます。このNPO法人は、埋蔵文化財が眠る山の管理を事業として行っているのですが、この時期広大な山の管理で大変です。そうです、草刈です。私もお手伝いとして、多くの会員が集まる日に何日か草刈をするのですが、刈った後から後からにょきにょき伸びてくるものですから始末に負えません。それで憎き雑草という表現になってしまいます。しかしよく考えてみると、今、我々はこの雑草のようにたくましく生きていく必要があるように思えます。
雑草をよく観察してみますと、いろんなヤツがいます。太くて大きくて頑固なヤツ。隅のほうで可憐な花を咲かせる小さくて弱々しいヤツ。それぞれ役割があるような気がします。実際にはそんなこと考えずに草刈り機でバリバリ刈ってしまうのですが、今の我々は、この雑草魂で生き抜くことを考えねばなりません。
多くの企業で減収減益となり、 非正規社員は雇止め、学生は内定取り消しなど、がっかりするような出来事が起きています。特に飲食業や大規模イベント関連の職業の方たちは影響が大きいです。そして今後、働き方や経済活動の在り方が変わってくるでしょう。それゆえ、今何が必要なのか、精神論では食べていけませんが、これから逆転人生にしていけるよう自己を見つめ直す時だと思っています。
雑草は刈られ抜かれてまた生える
雑草は己を映す鏡かな
幸運は踏まれ踏まれてつかみとる
勝つことよりも生き抜くこと
草刈りしながらそう思うこの頃です。
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