潰れない会社にするための絶対条件
当社が直接かかわる社長さん方に対しては、今回の急激な経営環境の変化を生き抜くための打ち手を個別にお伝えし、特に、「マイナスの影響」を最小化した上で、「プラスの影響」を最大化することを最優先に、注力してまいりました。
当コラムにおいても、今回のような急激な経済環境下のマイナスの影響を最小限に抑え、強く永く勝ち残る会社になるための打ち手として「3つのこと」もお伝えしたところです。
1つ目は、「今は、とにかく現金を厚めにもつこと」、2つ目は、「流血している部分(赤字)があれば、直ちに止血すること」、3つ目は、「時流の変化には、抗うのではなく、上手く乗ること」です。
細かいことを言えば、他にも考えるべきことや、やるべき打ち手は多々ありますが、「基本的な心得」として、3つの考え方が重要なのです。この3つの考え方を真に理解し、行動に移せているかで未来が変わってきます。
その上でも、特に、「現金を厚めにもつこと」が、あらゆる打ち手のスタートになってきます。
なぜかというと、あらゆる経営課題の中で最優先で解決しなければならないのは、「お金」の問題だからです。ヒトは、お金の心配が大きくなればなるほど、冷静な判断が出来なくなってしまいます。
精神的に不安定になれば、体調にも異変をきたします。社長がまずやらなければならないのは、「漠然としたお金の不安」を解決しておくことです。
財務中心の会社づくりが出来ている会社であれば、社長は「自分の会社は、どれだけのキャッシュを持っていたらいいか?」を数字で把握しています。
自分の会社にとってのデッドラインを知っていれば、安心して経営の舵取りができ、右往左往することはありません。
一方、財務を知らない社長は、「自分の会社が、どれだけの現金を持っておかなければならないのか?」を数字で把握できていません。
例えば…、今、あなたの会社は、売上ゼロでも何ヶ月資金が回るでしょうか。
3ヶ月間売上ゼロでも、問題なく経営できますか…?
6ヶ月間売上ゼロでも、問題なく経営できますか…?
1年間売上ゼロでも、問題なく経営できますか…?
もし、「自分の会社が、どれだけの現金を持っておかなければならないのか?」が分からなければ、答えに窮してしまうことでしょう。
なぜなら、自分の会社が毎月どれぐらいのキャッシュが出ていくのか…が数字で理解できていないからです。加えて、どれぐらいの期間のキャッシュを持っておいたらいいのか、わかっていなかったりもします。
どんな会社でも、常日頃から3~6ヶ月売上ゼロでもビクともしないキャッシュは、持っておきたいですし、支払手形がある会社であれば、不渡りを出すという最悪のリスクに備えて、さらに厚くキャッシュを持っておくという判断もあるでしょう。
それから、「当座貸越枠があるか否か?」「当座貸越枠にどれだけの余裕があるか?」も、判断の重要なポイントになってきます。
その上で、「楽観的なシナリオ」・「標準的なシナリオ」・「悲観的なシナリオ」どのシナリオが発動されたとしても、問題なく事業経営できるだけのキャッシュを手元に確保しておくことが、スタートラインなのです。
社長自らが、自社の状況を数字で理解した上で、将来の見通しを仮説を立てて、数字に落とし込むこと。今は、社長自らが覚悟を持って決断し、スピード感を持って未来を切り拓く「次の一手」を打つ時です。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、どんな未来をつくりたいですか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント 舘野 愛
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