「有事の時すべきことは ただ一つ自らの役割を考え抜き果たす。そこで社長がとるべき行動は〇〇!」
「先生 これはいいですね! 早速うちでもやってみます。」とあるチェーンの社長の一言です。
これからの店長会をどうするか?いろいろ迷っておられたとのこと。毎回数十人以上が集まる中で、人と人との間隔をとらなければならないとなると、本部会議室では入りきらず、ホテルや、別の会場をとって会議をやられていたというのです。
社長曰く、オンライン会議と聞くと「何か特別な機器の準備や、やり方を熟知するまで、相当時間がかかる」と思われていたそうです。担当部門に早くやるように指示したものの遅々として進んでいなかったとのこと。
―――それなら 今からちょっとをやってみましょうか?とお伝えし、弊社から接続用案内メールを社長のパソコン送り、クリアに繋がる体験をされた時に、発せられたのが冒頭の一言です。
前職時代より、国内外でのビデオ会議は日常的にやっておりましたので、その生産性の高さは明らかでした。
移動時間、書類作成、事前打ち合わせ、会議室の確保…すべて金額に換算するといかにもったいないことにお金をかけていたことに気づきます。
当時、国内チェーン各社が壁を越えて、こういったことで繋がるようになれば、業界の生産性は一変するのではと ワクワクしたことを、昨日のことのように憶えていますが、なにを隠そう 弊社でも、導入したのはつい半年前のことです。
移動時間を極小化できる。扱いが簡単で悩む時間がない。運用コストが安いという3拍子揃っていたことが、決め手となりました。
実際、コンサルティングのサポートや、人時生産性の店長講座等で役立っていますが、ご要望があるクライアント企業には、実地コンサルティングでも併用させていただいてます。
小回りの利く小さなコンサルティング会社ゆえ、こういったことに余念がないのですが、そういう、伊藤自身、長年小売チェーンの中にいたことから、ITに最も疎いひとりでした。
今思えば、独立を機に、ITへの関りを避けては通らざる得ない状況であったことが、大きく役立ったと言えます。
何でもそうですが、日進月歩で進化するツールは、一つのものを長く使うより、定期的に更新し切替ていくことの方が、いいのは分かっていても、やってみないことには実感がわかないものです。
理解には、確かに面倒なこともたくさんありますが、構造改革の新しい仕組みの一貫と考えれば、旧態依然の仕事のやり方の改革に大きく役に立ちます。
「そうは言っても どこから始めればいいのか?」という声が聞こえてきそうですが、その一貫として、ご紹介したのが冒頭のオンラインミーティングツールでした。
ここで大事なのが、タイミングです。と申しますのは
こういったことは、実際に困った時にしか変えることができず、その場ですぐに動かないと変われないものです。「鉄は熱いうちに打て」というように、、物事は時期を逃さないうちに実行しないと成功しにくいものだからです。
特に、手間と時間をかけ習慣的にやってきたことほど、変えられないわけですが、前述の店長会などは、その典型的な例で、集めてやるのが基本的なスタイルとなっています。「せっかく、集まるのだから中身の濃いものをやらねば・・・」と、事務局はあの手この手で工夫を凝らし、社長 運営部長 商品部などの連絡事項をいしょくたにやろうとします。
今は、密室、密集、密閉というリスクが社会問題として表面化してますので、長時間はもちろん、集まること自体できなくなりつつあります。今回は延期とか中止といっても、先送りには限界もあり根本的な問題解決にはならないということです。
一方で、既に店長会をオンラインで実施している企業は、会議自体そのものが短く、生産性も高いものになっています。
理由は簡単で、一気にまとめてやる必要がなくなるからですが、その他にもスピーチする側が時間を短くしないとWeb会議伝わりにくいのでは?誰もが意識することから必然的に短くなるのです。
店長は自分のデスクのパソコンから参加できるので、前後ギリギリまで仕事ができますし、移動時間も必要なくなります。
丸一日、拘束されてた時間が、1時間になるということは約7時間も時間が削減できます。月一開催していたとすれば、年間1店あたり84時間もの人時が削減できることになります。
店長の時給を2500円とすると、84時間×12回で年間21万円となり、×10店舗であれば210万円、30店であれば630万円といった単位で、会社のお金の使い方が変わってくる話です。
前出の社長のように、日頃から人時売上を目標に、経営を組み立てておられる会社にとっては、こういった取り組みが必須であり、経営トップから変えていくお手本を示すことは重要な取り組みの一貫となります。
本部も準備にかかる時間が無くなり、店長は拘束される時間減で楽になり、その分を社内環境整備や、顧客満足度改善に引き当てられることから、ここが従来のやり方に固執される企業との大きな分かれ目となります。
半世紀以上国内人口は増え続け、小売りチェーンは賃金の安いパートアルバイトを大量採用の人海戦術で回してきました。
今は、労働人口減によって、増え続けた作業量を人に振り分けきれなくなっています。従来型の本部会議やミーティングのすすめ方にこだわっていると、すでに現場が回らなくなることが起きています。今回のコロナ騒動はそういったことへの警鐘であり、すべての会議体やミーティングの在り方について問われているとうことです。
「コロナ騒動さえ終われば、また、元のようになる」という声が聞こえてきそうですが、既に、閉鎖が解除された中国では、ウィルスに対して一段と用心深くなり、並ぶ時も間隔をきちんととり、マスクや手袋といった安全対策に注意する様子がうかがえます。、観光地などでも 人が集まりすぎた場合、その場で中止。となるといった抑止力が効くようになっています。
世界中の、ひとりひとりの安全意識が高まり、大勢集まって行動しないことに向かい始めた心理は、益々加速しています。
店舗のコストコントロールはもちろん、本部による店舗への不用なコスト見直しは、こういった有事にしか見ることができず、これを生かせる企業だけが、変わることができるのです。
さあ、貴社では、まだ、大勢で集まってやるやり方を続けますか?それとも、オンラインで繋がり、冷静に店舗コントロールができる構造改革に着手されますか?
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