新型コロナウイルスでたくさんの企業、業種が影響を受け始めています。

私のクライアントでも、「売上が下がることが予想される」「商品が中国から入荷してこない」など切実な事態に直面している会社も出てきました。

そこで、この事態にどう対処するかをテーマとして、緊急勉強会を開催することにしました。

テーマは、3つです。

〝資金調達〟
〝当面の資金繰り〟
〝事業のあり方と再構築〟 

 

一つ目のテーマは、資金調達です。

新型コロナウイルス対策として、 政府からセーフティネット保証、セーフティネット貸付など、無利子や無担保貸付などが打ち出され、多くの企業も申込を行っているようです。

しかし、これに当てはまらない企業もあります。

例えば、
「売上は下がると思うが、今ではなく、もう少し後になって下がってくると思う。そうなると、今はまだ申し込めない」
「セーフティネットを申し込んでも、〝売上が減少してから申し込んでください〟と言われた」
「リスケをしているが、別枠であるにもかかわらず、貸してくれる金融機関がない」
「金融機関とのパイプが太くないため、貸してくれない」
「ここぞとばかり、セーフティネットで借りたお金で、一旦、今の借入を返して欲しいと言われた」
「セーフティネットで貸してくれる金額が少なく、これではすぐにお金がなくなってしまう」

最初にお話をしたいと考えているテーマは、ズバリ〝お金の借り方〟です。

コロナウイルス対策以外の方法での金融機関から資金調達をする方法をお話をしたいと思っています。

正直なところ、こういう内容の話をするコンサルタントは、総じて、品が悪く、人の弱みにつけ込んで仕事をしようという人が多いものです。

私は、こういう人たちと一線を画すために、過去からこういう内容のお話を大勢の前で話をすることはほとんど行ってきませんでした。

しかし、今はそういうことも言っていられない状態ですので、過去3000人以上の金融機関担当者や支店長、審査部、役員と交渉してきたノウハウをお伝えしたいと思っています。

セーフティネットでのお金の借り方ではなく、〝企業としてお金を借りるためにどう交渉すればいいのか〟というお話です。

残念ながら、返せない会社にはお金は貸してくれません。

今回の新型コロナウイルスの影響による経営悪化に対しても、政府は様々な施策を打ち出していますが、実際にお金を貸し出す金融機関は、過去のバブル崩壊、以降の長期の不景気、金融再編時、リーマンショックなどのときにも貸せる企業にはお金を貸していましたが、貸せない企業には、やはり多額の融資で支援することはほとんどありませんでした。

金融機関に、返すことができる会社と判断されないと、彼らはお金を貸してくれないのです。

具体的に、5月の勉強会では、

  • 融資審査が通る資料とはどういうものなのか
  • 金融機関は、お金が貸せるかどうかをどこで判断しているか
  • 金融機関の、誰に、どういう話をすれば良いのか
  • 金融機関との付き合い方
  •  財務資料の作り方(市場環境、強み、どう伸びているか・・・比較、数値の見せ方)
  •  弊社から紹介できる金融機関
  •  税理士から金融機関を紹介してもらうには

についてお話したいと思っています。

 

二つ目のテーマは、 当面の資金繰りをどう解決するかです。

金融機関からお金を借りることができればひと安心ですが、もしそれが難しいときはどうすればいいのか。

会社がお金を支出するものとしては、

  • 仕入などの原価   
  • 外注                  
  • 人件費
  • 広告宣伝費         
  • 旅費交通費         
  • 通信費               
  • 交際費               
  • 地代家賃            
  • リース料            
  • 事務用品や消耗品
  • 租税公課            

主にこういう支出があります。

当面の資金繰りを解決するために、勉強会でお伝えしたいことは、3つあります。

  • 一つ目は、契約で決まっている支出と、意思決定や行動から都度支出されるものを分類し、これらの支出の仕方を変える。
  • 二つ目は、入金と支払のサイトのバランスが崩れている場合の対処。
  • 三つ目は、入金を増やす方法。

 

最後、三つ目のテーマは、 事業のあり方と事業の再構築ということです。

「今、お金を借りて、資金繰りをつないでいったとしても、
根本的に状況が変わらない限り、お金を投入し続けないといけない」

「そもそも置かれている状況が以前のような状況に戻るのか」

「もし戻らなかったときには、借入ばかりが増え、売上は減少し、事業は縮小することになっているのではないか」

「それで、その先本当にやっていけるのだろうか」

これは、どのような業種、規模の会社でも起きうることです。

三つ目の話は、事業を続け、会社を続けていくための根本的な事業のあり方の話です。

以下のようなことが一つでも当てはまる会社は、会社を取り巻く外部環境で何かあったときに、大きな影響を受けやすい会社と言えます。

  • 生産地が1カ所など、偏った地域になっている
  • 売上がある特定の得意先に偏っており、その得意先の比率が30%を超えている
  • 売上(得意先)と社員が紐付いており、その社員が辞めるようなことがあれば売上は下がる
  • 特定の社員や役員が営業や製造、企画、開発、財務などの、
  • 事業の重要なところを握っており、それが他の社員で代替できないような状況にある
  • 新たな商品やサービスの開発や提供ができていない
  • 顧客や得意先の新規開拓ができていない

 

このたびの新型コロナウイルスは、大きな外部環境の変化と言うことができ、世の中の多くの会社に良くない影響を与えています。

しかし、同じ業種でも影響の少ない会社があるのも事実です。

天災地変、様々な経済情勢の変化、政治的国家的な変化、そしてこのたびのような感染症の流行など、会社や生活を取り巻く環境は、〝必ず変化する〟と捉え、その変化に適応できるよう、普段から、事業のあり方を修正していくことが企業経営にとってとても重要なことなのです。

この勉強会では、

  • 会社存続にとって重要な機能である営業、製造、企画開発、財務を、特定の人が重要な役割を担っていたり、特定の企業や地域に偏っている。
  • 意思決定のスピードが遅い。
  • 新たな顧客や得意先の開発ができていない。
  • 新たな商品やサービスの各開発ができていない。

というようなことに対し、

① 自社の状況を冷静に判断し、               
 ② どのようにして事業のあり方を見直し、
 ③ 再構築するのか                             

についてお話したいと思います。