コロナ後の変化を捉え、どう躍進させるか?答えは常に"不の解消"にあり。
先週の金曜、当社の今後の活動の参考にもすべく、初めてオンラインセミナーを受講しました。
講演タイトルは「アフターコロナに躍進する、経営変革セミナー」。
経営コンサルタントの方々4名による、4時間にも及ぶ濃密な講演でしたが、私の専門とするギフト市場、通販・EC市場にも照らし合わせながら、拝聴していました。
セミナーの中で、まず全体を貫くテーマのように冒頭で述べられていたことは・・・
『今、私たちは20年後の世界を強制的に見せさせられている』でした。
コロナが始まってから、以下のことが起きていますよね・・・といった内容からです。
①満員電車に乗るのは誰もが嫌だった → 時差出勤、テレワーク・リモートワークが無理やり推進され、コロナ後も定着していく可能性
②営業訪問で車や電車に乗り、時間と足を使い回っていた → オンラインでのリモート商談、BtoBのECシステムなどを利用した効率的な営業活動に
③スーパーに毎日、必要な分を買い物していた → ネットスーパーや、ネット通販の利用が増進
④病気での通院 → 病院を往復する時間、待たされる時間はオンライン診療で解決、処方箋をもらうだけでも病院に通わなければならなかったのが薬が宅配便で届いたり、自宅近くの薬局で受け取りができる
①〜④に共通していることは、先週のコラムにもテーマとして書きましたが、特に”時間”の在り方への大きな変化です。
通勤、営業、買い物、通院などに使っていた時間と労力が、オンライン、IotなどのIT活用で一気に時間の短縮ができるのです。1日2-3時間、いやもっと時間が出来る人もいるでしょう。
昔からの金言、”時は金なり”と言いますが、どう時間が経済に影響していくのか、どうこの変化に対応していくか?が、私自身もそうですが、今多くの経営者がいきなりコロナの出現によって、急ぐように問われています。
もう少し詳しく、私の視点も絡ませて、小売・EC市場も入れながら考察します。
まず、①〜②はビジネス上のことです。
リモートワークで出勤時間が減る、もしくは100%在宅ワークの方も出てくるかもしれません。営業活動も足を使って相手先に向かうことが減り、そのアポイントを取ったり互いの時間調整に悩む時間も少なくなるでしょう。
結果として、セミナーでもこう言われていましたが「会社に出勤しなければならないという仕組みそのものが古い!」という時代になる。
特にオフィス賃料などの固定費を抑えたいベンチャー企業や、SDG’s(持続可能な開発目標)の取り組みに積極的な大手企業でも、いかに出社人数を減らすか?は働き方改革への対応も含め、コロナ後もますます進むはずです。
そして③〜④は日常生活の変化です。
スーパーは日常品需要の高まりが休職や外出自粛、学校休業などの影響で、今は売上の上昇が続いていますがこれは需要の先買いという側面もありますので、コロナ収束後も同じ状況は続かないでしょう。
ですが、ネットスーパーの利用も高まっており、今まで利用しなかった人がネットスーパーの便利さに触れ、コロナ後も利用が推進されるでしょう。
リアル店舗に対してECでは、オイシックスの食材宅配サービスで提供するミールキット(調理具材セット)が3月、注文数3倍、会員数もこの1年で5倍と急成長しており、このコロナ時に、株価は上昇を続けています。
他の食材の売上も30%以上伸びているとも聞いており、先のネットスーパー同様に利便さを知った人がある一定数、今後も利用を続けていくことは間違いありません。
Amazonもコロナを機に、15%以上も売上をさらに伸ばしているそうです。
我が家の話しで恐縮ですが、妻も外出することがめっきり減り、この機に家計を見直して、Amazonの定期宅配便サービスの利用を3月より開始しました。毎日飲むペットのお茶9本、5kgの無洗米、缶ビール24本、食洗機用の洗剤などです。
日常で消費する食品、日用品に関しては、割とコロナ後の未来が見えやすく思います。
ではギフトなど、非日常の世界はどう変化していくのか?
ギフトおよび通販の専門家である私は今、ギフトでは悲観的な側面と、夢のある側面の両方を描いています。
古い慣習の儀礼的なギフトシーンや、そのギフトの売り方は今まで以上に、相当厳しくなると見ています。
例えば、もうすぐ始まるはず?のお中元商戦はどうか?
毎年1-2%程度ではありますが、少しずつ落ちてきた中元市場ですが、今年に関して言えば本格的に商戦が始まる6月初旬に百貨店などで派手に設置される催事が開かれないのでは・・・と悲観的に推測します。
仮に何とか7月あたりに開けたとしても、60-70代が中心顧客層の市場のため、密集する場所へも行かず、ネット利用もまだ少ない層から急激な需要は生まれず、例年より30%以上の減、いや、50%以上減もありうるのではと見ています。
もしそのような状況になれば、コロナ後になっていると信じたい翌年以降も、中元という市場はそのまま収縮したままになるのではないでしょうか。
冠婚葬祭に関連するギフト市場も、同様な結果を生んでいくことを未来予測をしています。
例えば、結婚式をあげないつもりというミレニアム世代の若者は今、40%以上にも達しているそうです。コロナ危機を実感した今、この数字はもっと伸びてしまうかもしれません。
もし、少しの活路を見い出すとすれば、外出自粛が続く中、近場への旅行へすら行けない状況なので、もし利用客の住所を把握しているのであれば自宅用にも利用を促すカタログをDM送付し、通販で受注を行う。
さらにこれを機会にネット利用を促進し、そこでも贈り物とするだけでなく自宅用、自分用にも購入を促すことでしょうか。減り幅を減らし、新たにオンライン会員の増強も図れます。
とにかく今すぐに知恵を絞り、今出来ることを、未来にも繋がる施策として取り組めるかどうかが肝心です。
そして、昔からヒットの法則は、”不の解消” が実現されている商品かサービスかでした。
通販=ダイレクト・マーケティングの世界では、特にそれが昔から今に至るまで顕著です。
先のオイシックスのミールキットのヒットもそうですが、その要因は美味しい料理キットということではなく、それは後の話しで、まず忙しい共働き世代のお母さんの時間を少なくし、助けてくれていることが、真っ先にあることです。
そこに加えてプロのような味を簡単レシピで、誰もが失敗なく美味しく、しかも簡単に作ることが出来るというのは、あくまでも次の要因です。
どちらも両輪として欠けてはなりませんが、中身の質の前に まず”不の解消” が実現されているのか?そのコンセプトが何より、一番のヒットのキモなのです。
ギフトシーンとてこの ”不の解消” は同じです。
今日のコラムでは、特に儀礼的ギフトにおいての悲観的側面を書きましたが、次週のコラムでは、夢のある側面を書きたいと思います。
日々の状況が刻々と変わっていく中、常に仮説を立て、夢を描かなければ決して明るい未来は得られません。
こんな時世だからこそ、ギフトシーンにも夢はたくさん詰まっています。
次週、乞うご期待ください!
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