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社長の在宅勤務はどうあるべきか。アフターコロナ、何を見据えるべきか。

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

「先生、こういうサービスはどうでしょうか。」
「当社も、このような料金体系はできるでしょうか。」

今週は、クライアントから、ネットでの面談の申し込みが多くあります。そして、その面談の多くでアイディアに対する意見を求められます。

私は、その内容を聞かせていただきます。それが年商10億円ビジネスの条件に合っているかを一緒に確認します。

そして、最後に、一番大切な質問をします。
「それは、社長のやりたいことに合っていますか?」


このような状況こそ、経営理念が重要になります。

経営理念とは、社長が経営をするうえで定めた信念です。その信念を幹部と共有し、会社として実現に邁進しています。

「世の中に、どのような貢献をしていくのか。」
「どのような領域で事業をやっていくのか。」
「労使の関係はどうあるべきか。」
「地域」や「環境」や「取引業者」に対しても、考えがあります。

この社長の信念すなわち経営理念を実現するための手段として、事業があります。

その事業のミッションを決めます。
「我々は、〇〇という課題を持つ人に、〇〇という特色のあるサービスを提供し、〇〇を実現します。」

このミッションのことを、事業理念といいます。この事業理念の実現のために、組織をつくります。社員や協力業者に仕組みづくりの協力を願います。そして、多くのスタッフに実際に動いてもらいます。

経営理念は、社長の人生のテーマと言えます。事業理念は、組織のミッションになります。


いま、多くの社長が『在宅勤務』をしています。その在宅勤務での、過ごし方は大きく二つに分かれています。

一つは、「明確な目標を持って動いている人」です。
在宅勤務をチャンスだと考えています。彼らは、目標を持っています。
「事業を根本的に作り変えるための研究と方針づくりをしよう」、「物流の仕組みをつくろう。外注化の可能性も検討しよう」。
その目標は、具体的です。そして、スケジュールも立てています。
「今週は、競合他社の研究をしよう」、「来週は、物流の全体のフロー案をつくろう」。
目標を持って、その日を過ごしています。

当然、手にする本は、そのテーマのものばかりとなります。そして、その読書は、アウトプットを前提にしています。食事中も、それについて考え続けます。その結果として、良いアイディアを得ることになります。

もう一つは、「明確な目標を持っていない人」です。在宅勤務を「自由時間」と考えています。この期間に「〇〇を〇〇しよう」という明確な目標を持ちません。当然、スケジュールもありません。
その結果、時間の過ごし方も緩いものになります。社員との少しのメールを終えると、なんとなくネットを開き、結構な時間を過ごします。フェイスブックの更新の頻度も「いいね」の数も、今までとは比べ物にならないほど増えます。

手にする本に共通したテーマがありません。溜まった本を読めると喜んでいます。アウトプットが無い読書のために、集中力も続きません。すぐに動画に走ります。
その結果、雑多な情報を得ることになります。緩んだ心が、「隣の芝は青い」という目を生みます。その情報を、『良いアイディア』と勘違いをします。

具体的な目標を持つ人には、本当のアイディアが降ってきます。具体的な目標を持たない人には、雑多な情報が引き寄せられてきます。

こういう時だからこそ、具体的な目標を持つことが必要になります。その目標は、自社が飛躍するために絶対に必要なことです。この先を見れば、遅かれ早かれ手を付ける必要はあったのです。それをやるだけです。それをやれるチャンスです。

いまの時間を無難に過ごすような目標を立ててはいけません。「本を〇冊読もう」や「〇〇を勉強しよう」というレベルのものはダメです。それでは、いままでの自分と一緒になります。そして、この先も会社が変わることはありません。

いまの社長の時間の過ごし方が、3年後、5年後の自社の状況を決めます。
「〇年後には、年商10億円になっている」、「業界で一番になっている」、「組織が機能している」、「多くの社員が活き活きと働いている」。
その目標を持って、今日もやるべきことをやるだけです。


数週間もすれば、また経済が回り始めます。その時には、大きく分かれることになります。

ある会社は、この期間を過ごすことで大きく変わっています。成長しています。飛躍の準備ができています。実際に、仕組みを試しています。開けたらすぐに動けるように業者にアポを取っています。

それに対して、ある会社は何も変わっていません。新しい方針書ができているわけでもありません。仕組みが整備されたわけではありません。ただ、ゆっくり過ごせただけなのです。

どちらの会社にも、同じように忙しい毎日が戻ってきます。でも、見ているものは全く違うのです。前者は、未来を見ています。後者は、案件を見ています。

そして、動きます。
前者は、忙しい毎日でありながらも、未来への取組みを続けます。
後者も、忙しい毎日です。社長も社員も、案件をこなします。その状態は、見た目も中身も、コロナの前と変わらない状態なのです。

また、「職人社長」に戻っていきます。時間があっても、手を付けられないのです。忙しくなれば、それを理由にまた手を付けない社長に戻ります。それこそが「職人社長」の所以なのです。


アフターコロナという言葉が出てきています。コロナが沈静化した後に、世の中は変わると言いたいのでしょう。

確かに変化は起きるでしょう。しかし、長期では変わりがありません。

短期(半年):自粛が解けた直後は、一気に色々なものが動きます。その一方で、急激に倒産が増えます。すぐに経済は冷え込みます。

中期(2年):企業は投資を控えます。連鎖倒産が起きてきます。金融資産の減少により、資産運用団体の解散があります。

そして、長期(3-5年):相変わらず日本は高齢化が進みます。若者は、更に貧しくなっていきます。地方は更に過疎化します。

社長は、この短期、中期、長期、其々に対し、明確な方針を持つ必要があります。
短期に対しては「対処」となります。中期に対しては「対策」。長期に対しては「施策」になります。長期すなわち時代の流れは変わらないのです。

今回のコロナが我々に何をもたらすのか。それは、『加速』なのです。時代の変化を加速させることになりました。

その一部に、次があります。
・WEBを使ったサービスをより多くの人が実際に利用することになりました。
・動画を使ったマーケティングやオンラインでの商談を企業が取り入れました。
・初めて在宅勤務を経験した企業や社員が多くあります。

これらは、これまでもあったものです。そして、この先、伸びていくだろうと言われていたものです。それが、「早まった」のです。


我々の会社も、この『コロナ』により、早まったのです。
この期間で、多くのことをじっくり検討することができました。方針も固まりました。また、多くの仕組みを整備することができました。
開けた瞬間から、更にスピードを上げることができます。

だからこそ社長は、長期を見据える必要があるのです。長期を見据えることで、いまやるべきことが見えてきます。足りないものも見えてきます。
その結果、今週、来週、やるべきことを明確に持てるのです。

長期を見据えなければ、いまやるべきことが見えてこないのです。今週も来週も凡庸な時間の過ごし方をすることになります。そして、色々な情報に惑わされることになります。

こんな状況だからこそ、経営理念に戻る必要があります。
正確に表現すれば、自分理念です。「自分は自分の人生で、何を成し遂げたいのか」、「自分の会社では、何をミッションとするべきなのか」。そこから、いまやるべきことが導かれて出てきます。

自分が特別な存在であることを忘れてはいけません。

こんな時も、その役目を淡々と行うだけです。
社長としての在宅勤務をするのです。

 

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