アセアンで加速するイオンモール出店
イオンモールのアセアン地区の出店は、現在、インドネシア、ベトナム、カンボジアの3カ国で計8 店舗を展開中だ。
今後さらに、ミャンマーに初出店(2023 年予定)する他、カンボジアに1 店舗、インドネシアに3 店舗、ベトナムに3 店舗新規出店する予定となっている。
長期的には、2026 年度までに中国も含めたアジア地域に70 店舗出店する構想を打ち出しており、とくにアセアン地区では、一地域に集中して出店する「ドミナント出店」を推進し、ダイナミックに出店数を増やしていく計画だ。
このようにイオンモールが海外戦略を加速させているのは、アセアンに出店している8 店舗中、赤字なのはインドネシアの1 店舗だけで、あとの7 店舗は成功しているからである。
私はインドネシア以外の2カ国で10 年前からイオンモールを定点観測しており、とくにカンボジアのプノンペン店舗は、オープン前から現地をつぶさに見てきた。それまでは小さな現地の百貨店か青空市場しかなかった人々の暮らしが、近代的なイオンモールの出現により一変したことを目の当たりにしている。
日本においてイオンモールは、地域コミュニティの拠点としても様々な役割を果たしており、そのノウハウをアセアンでも十分に活かした運営を行い成果を上げている。
アセアン事業に関わる社員は、現在、日本人51 名、ローカル514 名で、日本でも9 年の歴史がある「接客ロールプレイングコンテスト」をこの3ヵ国でも開催し、転職が当たり前の現地においても「人材育成」に力を注いでいる。
今後の課題は、アセアンにおけるデジタル(EC 通販) 企業との競合だ。新型コロナウィルスの世界規模での感染拡大を契機に、EC 化現象が各国で加速すると見られており、リアル店舗であるイオンモールも、現地化を踏まえたその戦略が注目されている。
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