「トキ消費」前に「トキ(時間)の在り方」の変化に備えよ。
人との接触を8割減らすという政府要請のもと、テレワーク、リモートワークが東京だけでなく各地で推進されていますが、当社のクライアントではどうされているか?
あるクライアント社長に聞いてみました。
「社員には通常の有休とは別に1.5日の休暇を与え、出勤を減らすように指示をし、電車を避けて車通勤にするようにも促しています。もちろん燃油代、駐車代は会社負担をすると。」
このように、企業では様々な対策が増えている中、 都市圏では学生が、まだ新年度を迎えられない状況も長く続いています。
いわゆる「巣ごもり」ですね。
さて、マーケティングの世界でよく言われてきた、消費の流れ、モノからコトへ・・・に続き「トキ消費」というのがあるのをご存知でしょうか?
大手広告代理店・博報堂のサイトにはこう書かれています。
トキ消費とは?「同じ志向を持つ人々と一緒に、その時、その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ消費。モノ消費、コト消費の次の消費スタイル。ハロウィーンやアイドル、クラウドファンディングのムーブメント、各種の総選挙イベントなどが代表的な事例。」
コロナ禍で、リアルな人との接点を控えている中、その時、その場でしか味わえない盛り上がりを・・・というリアルな現場でのトキ消費は、今は不可能な状況になっていますね。
今のコロナによって様々に生活環境が変化していることは、皆様もよくご存知の通りです。
・リモートワーク、テレワーク導入による在宅勤務(難しい業種もありますが)
・週末や夜間のお出かけ自粛
・学校、保育園などの休校、休園
・大型イベント、コンサートなどの中止
・オンライン飲み会 ・・・など
コロナ収束が、もし今後1年以上も先になるとすならば、今の状況をどう対処し、その後の状況をどう捉え、どう備えておくか?
私自身も含め、今、多くの経営者が最も考え、問われています。
「トキ消費」の促進は、SNS発信などインターネットを通じオンライン上でも可能ですが、ECのマーケティングに慣れていない事業者だと、その仕掛けは難しい場合もあるでしょう。
ですが、難しいからといって手をこまねいている状況でないのも事実です。
前々回あたりから、当コラムで様々な視点からお伝えしていることと重複しますが、全事業種とも真剣に事業の柱として、今ECに取り組まなければ、コロナ収束後も立ち遅れます。
大きな理由は「トキ消費」の前に「トキ(時間)の在り方」の変化が、必ず起こるということです。
例えば、在宅勤務、リモートワークに慣れ、その効果を実感できた経営者は、大きなオフィスを構える必要がなく固定費を削減でき、働き方改革推進も絡んで、人事管理の問題・課題も次第に解消されながら、コロナ収束後も進めていく企業は多くなるでしょう。
社員やスタッフも、これまで通勤に費やしていた時間や労力が減り、その分集中して業務に没頭でき、往復2〜3時間分の「トキ」を有効活用できます。
週末や夜間のお出かけ自粛も、当面続くなら自宅で家族で過ごす時間も圧倒的に増えます。
これまで旅行やレジャーに費やしていたお金は、自宅で楽しむための消費「巣ごもり消費」へと、形を変えてすでに大きく増えています。
その際、今、若者から高齢者に至るまで、財布以上に肌身離さず、自宅にいても持ち歩いているものが、スマートフォン=スマホです。
スマホというインターネットのデバイスから消費行動を促すためには、ECへの本格導入や真剣な取り組み、様々なリソースをECに投資していくことは、不可欠なのです。
この時代になっても、自社ホームページはない(もしくは必要ないと思われている)、あるにはあるが更新もせず、ほとんど活用できていない企業も、まだまだ沢山あります。
ECに対しての人材投入や投資費用を大きく掛けるか否かは、その時点でのリソースの大小や、事業形態、経営判断もあるので、一概にこうしたほうがいいとは言えません。
しかし、ネット販売の無かった時代より、実店舗のない通販ビジネスを30年に渡り見続けてきた私から、こう提言いたします。
「今のコロナ禍・コロナがまだまだ続くかも・コロナ収束後、と3段階に分けて考えた時、事業発展に沿ったECに、どう取り組めばいいか、経営者は大至急検討し、導入し、備えるべき。」
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