非常時、そして非常時後の見えない落とし穴に気づいているか
新型コロナウィルス感染拡大防止で、いよいよ非常事態宣言も出される中で、不要不急の外出の自粛要請が出されるなど、ここ数週間で「当たり前のこれまでの生活」が送れない状況になっています。
自宅待機の中、様々な情報に触れることで、かえって「不安」が増大している人もいます。当たり前の生活が送れないことだけではなく、ウィルスという見えない敵に関する情報の洪水を浴びることにより、気づかぬうちに心身にストレスを溜めているのです。
これらのストレスは、心身の状況や人間関係に少なからず影響を及ぼしますが、それでも「今は緊急事態である」という認識があるため、なんとか持ち堪えることが出来ていると思われます。もちろん、長期化すればするほど、どこまで持ちこたえられるのかわかりません。ですが、今はある種の「緊張状態」にあると気づいているわけです。
実はこの緊張状態が緩む時期、コロナウィルス感染が縮小し日常生活を取り戻すタイミングは、より慎重にならなければなりません。これまで溜まったストレスが良からぬ形で暴走してしまうこともあるからです。
特に、職場においては、この新型コロナウィルスの体験後、以前とほぼ同じ状況に戻るだろうと考えるのは、経営者ならばあまりに楽観的すぎると言えるでしょう。
日本経済のみならず、グルーバル社会や経済の枠組みや状況も変わっていくでしょう。もちろん、自社を取り囲む環境も変わってきます。経営者がそれら外的環境の変化に気を取られていると、思わぬ落とし穴があるので要注意です。
思わぬ落とし穴とは何か。それは自社で働く社員ひとり一人の心の変化を見逃してしまうということです。
これまでの当たり前が、ますます当たり前でなくなっていく
これまでの当たり前では、今後、立ち行かなくなっていく
経営者はこのような将来を見越した対策を取ろうとする視点を持っていますが、社員はそうではありません。以前と変わらない日常が戻ってくると思って職場に復帰したものの、今度は、「決して元には戻らないのだという現実」に打ちのめされてしまうのです。
これまでリアル、対面のみで行われていたサービスのオンライン化が急激に進むことかもしれません。あるいは、一度、テレワークを体験した社員が、育児や介護の両立などを理由に様々な働き方を選択できる環境を引き続き強く要望してくるかもしれません。そして、そのような内部の変化に、割とすんなりと適応できる社員もいれば、うまく適応できずに右往左往し、疲弊してしまう社員もいることでしょう。
このような非常事態こそ、一丸となって乗り切ろう。そうお考えでしょう。そのためには、以前よりも増してコミュニケーションを増やさなければなりません。そして言語化されていない情報にも気づき、手を打たなければならないのです。
「言うは易し」で、実際にはこれまで、どれだけ社内で良好な人間関係やコミュニケーションがとられていたかにも大きく関わってきます。
社内の「人間関係」や「社風」などは、二の次、三の次で後回しにしてきた会社では、これから大きなツケが回ってくると考えています。
このような内部崩壊の前兆を、優秀な経営者ならば見逃してはいけません。そしてその前兆は、ポストコロナに限らず、今、この時から少しずつ始まっているかもしれないのです。
今こそ手を打つべく、決断をする時期なのです。
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