制約条件をアイデア創出の引き金にする
コロナショックで飲食店や観光業を中心に思わぬ影響が広がっています。他方、この環境だからこそ脚光を浴びる商品やサービスも登場しています。
人材の需要についても同様で、今まで人不足に喘いでいた業界が一転、人余りとなったり、人材が潤沢であったはずの事業が人手不足で困窮したりと、環境が変わるとこうも状況が変わるものだと驚くばかりです。
生物の適者生存説に倣って、企業も環境に適応したもののみが生き残ると言います。この難しいタイミングにあって、まさに環境適応の能力が試されている感があります。
たとえば先日のニュースでは、旅行客の激減により仕事がなくなってしまったホテルから、外国人実習生が来日できなくなったことで深刻な人不足に陥ってしまった農作業の現場へと人材派遣を行う取り組みが報告されていました。
海外では、旅客機の減便に伴い仕事にあぶれた航空会社が、コロナ患者の対応で危機的状況にある医療現場にスタッフを派遣するという試みが報道されていました。
もちろんどんな仕事にも固有のノウハウや経験が必要とされますので、即戦力とまではいかないのでしょう。しかしながら、今までであれば考えられなかったような人材の交換が、「相手の窮地を助ける」「こちらの窮地も助けられる」という相互のメリットによって成立していることには感動を覚えます。新しい経済が立ち上がってくるような気すらするわけです。
新しい経済という意味では、飲食業を救済する目的で、何ヶ月後かの食事代を先に支払っておくという仕組みも始まっていると聞きました。
もちろん非常時だからこその苦肉の策ではあるのでしょう。しかし、だからこそ、制約条件があるなかで既存の枠組みを超える斬新なアイデアを検討する絶好の機会になっているとも言えます。
コロナが去った後、きっと世の中の景色が以前とは少し変わっているはず。それを予測して今やるべきことを考えたいものです。
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