ピンチをチャンスに変える社長の思考
企業経営は、常に順風満帆ではなく、いい時も悪い時もあります。今の経営環境は、多くの企業にとって逆風…嵐…といったところでしょうか。
日頃から財務の重要性を理解し、経営の実務で日々実践している社長であれば、今回のような事態にも、混乱することはありません。なぜなら、「ここまでなら大丈夫」というデッドラインを、数字で具体的に把握しているからです。
財務思考が定着している社長は、全ての経営判断を「数字」に落とし込み、裏付けを具体的にしていきます。
「もし、〇〇のような状況になったら、××の打ち手を打とう」など、想定されるリスクに備えて、段階別に対策を用意しているものです。
多くの企業では、対策が後手に回る根本的な原因は、「事態が悪化した後」に対策を考えるからです。コトが起きた後では、手遅れです。
「先手先手」で対策を考え、瞬時に発動できるよう準備しておくことが、大切なのです。
もし、あなたが、漠然とした不安の中で、「何も考えられていない…」のであれば、まずは、「自分の会社は、何ヶ月売上ゼロでも潰れないのか?」「自分の会社で最大のリスクは何か?」を数字で、具体的に落とし込む。このことから始めてみましょう。
数字で具体的に言語化できれば、その先にやるべき打ち手が自ずと見え、必要以上に不安に思うこともなくなります。
会社を潰す社長の多くは、想定されるリスクに対する備えが甘かったり、自分の会社の現状を数字で具体的に理解できていない傾向にあります。
毎日すべてを悲観的に考えていれば、心身を病んでしまいますが、会社を潰さないための備えに関しては、悲観的にしておかなければなりません。
今回のような状況に陥った時、「会社を潰すこと」これだけは避けなければなりません。会社が本当に潰れるのは、「資金が尽きた時」です。
社長は、どんなときにも、潰れない会社にするため、資金(キャッシュ)を確保しておかなければなりません。今回のような時こそ、財務の視点から「想定される最悪のシナリオを数字で具体化する」という実務を行うべきなのです。
経済環境の逆風に負けない社長が実践していること。最悪のシナリオを数字で具体的に考え、対策も万全に行った上で…ですが、「今、目の前にある可能性」に集中することです。
起きてもいない不安ばかりを考え、何も手を付けられないパニック状態に陥っていてはいけません。大切なのは、前に進むための「可能性」に注目し、目の前で出来ることから成し遂げることです。
社長がパニック状態に陥っていては、社員も同じような状態に陥ってしまいます。
どんなに大変な状況下にあっても、必ず、自社の中に眠っている「チャンス」があるはずです。それは、「社長」が気付かなければ、誰も気づきません。
よく「チャンスは、ピンチの顔をしてやってくる。」と言います。
ピンチをチャンスに活かせるかは、社長自身です。社長自身の思考がモノをいいます。社長が「チャンスだ」と思えば、ピンチはチャンスにあっという間に変わります。社長が「ピンチ」と思えば、ピンチのままです。
今こそ社長は、自社の事業永続のため、目の前の可能性をチャンスに変えるべきなのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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