窮境を乗り越えるための「3つの打ち手」
当社には、2月下旬あたりからちらほらとコロナ対策に関連するご相談や経営上の打ち手、資金的な手当てなどのご相談をお受けしておりました。もちろん、3月以降の不穏な動きを予想してのことです。
「備えあれば、憂いなし」といいますが、特に、会社経営にまつわる経営上の打ち手や資金的な手当ては、一歩間違えば、会社を潰しかねません。直接かかわる社長さん方に対して、以下3つのことを重々お伝えしております。
1つ目は、「今は、とにかく現金を厚めにもつこと」
2つ目は、「流血している部分(赤字部分)があれば、直ちに止血すること」
3つ目は、「時流の変化には、抗うのではなく上手く乗ること」です。
まず、1つ目の「今は、とにかく現金を厚めにもつこと」です。多くの社長は、自社がどれだけの現金を持っているべきかを把握しておらず、「いくら持っていたら、3ヶ月・・・6ヶ月売上ゼロでも潰れないのか?」数字で把握しておくことが大切です。
特に、支払手形を使っている会社は、手形が落ちないと死活問題です。手形を使っていない会社でも、資金が尽きれば、会社は潰れます。「現金」こそ、事業存続の命綱なのです。
日頃から、不測の事態でも資金的に困らないように、財務基盤を強化しておくのは当然のことです。特に、今回のようなケースで経営環境の悪化に陥った場合、社長が「財務」を知っているかどうかが生死を分かちます。
次に2つ目の「流血している部分(赤字部分)があれば、直ちに止血すること」です。これは社長として、とても難しい経営判断になることもあります。売上に連動する「変動費」は、売上が立たなければ発生しませんが、売上がなくてもかかる「固定費」の多くは、人件費だからです。
業種・業態によっては、1ヶ月の売上が半分、ひどい場合には、1ヶ月分の売上ゼロになるなど、大変厳しい局面を迎えています。もちろん、なんとか雇用を継続するのが理想ですが、その判断が会社を潰すこともあります。
もちろん政府からの雇用調整助成金などの救済措置なども視野に入れ、最終的には、「財務」の目線で「どこまでなら持ちこたえられるか?」を数字で具体的に判断しなければなりません。会社が潰れてしまえば、再起のチャンスさえ失うことになります。
社長は「財務」の視点から冷静に打ち手を考え、行動していかなければなりません。
最後に3つ目、「時流の変化には、抗うのではなく上手く乗ること」です。今回の自粛ムードで一番気を付けるべきことは、既存のお客様が離脱してしまうことです。
社会全体が停滞している環境下でも、ヒトは、どこかで必ず消費をしています。生きるということは、日々何かしらの経済活動をしているものなのです。
社会全体は、個々の「消費」は、完全にはなくならないという点を企業側がきっちり理解して、今の時流にあったサービスの提供方法や商品を考えなければ、時代に取り残されてしまいます。
あなたがイチ消費者の立場であれば、どちらの会社と付き合いたいと思いますか?
「完全に思考停止状態に陥って、商品・サービスの提供をストップしている会社」
「環境の変化に柔軟に対応して、商品・サービス提供を継続している会社」
誰しもが思考停止状態に陥っている今こそ、前進し続けている会社だけが強く永く勝ち残る会社になるのです。そして、その経営判断を後押しするのが「財務」の実務なのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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