「改革はどのように進むのか?会社を大きく変えるために、必要となる条件はズバリ○○!」
「先生 非効率なやり方はやめればいいと言っても、店は中々動こうとしないものでして…」
セミナーにお見えになった、とあるチェーンの社長さんからのご相談です
――――難しいんですよ その引き出し方というか、取りまとめ方、それをつかって数値を変えていこうとすると 店舗巡回の時に聞いた問題を片っ端から対処していったとしても出来るものではないからです。
と申し上げると。
そうそう といった感じで、大きく頷かれます。
よくあるのが、「カイゼンは、出来るところから」とか「やり易いとこから始めて」とか「顧客の意見を聞いてから」といった“現場丸投げ型”でやろうとすると、まず何も変わらないということです。
理由は簡単で、非効率業務を止めさせていくためには、経営戦略として、改革の柱となる企画を立て手順を明らかにしていかないことには、だれも動くことができないからです。
非効率な業務というのは、そもそも何なのか? それは、各従業員が「やってて大変!とてもじゃないけどやりきれない!」とか「これは何のためにやるのか?ホントにムダ」といった人の手を介して行われている業務ということです。そいう意味では、一種のフラストレーションの塊ですが、見方をかえますと、会社を変えていく原動力にもなるということです。
人口が増えていた時代は、モノを出せば売れた時代で安い賃金で人を雇うことが出来たので、人を増やすことが一番手っ取り早かったわけです。
今は、モノを並べてもそれほど売れず、その人件費の方が高く、利益を圧迫している状態です。
例えば、売上アップを図るためにやるポイント○○倍セール、日替わりチラシといったことは確かに売上はとれますが、果たしてどれくらいコストかっていて、それが利益に結びついているか?
そういった売上の大きな企画にも非効率業務は潜んでいて、まずは、それを見分けるやり方を知ることがスタートラインにつくことになります。
キャシュレスについても同じで、ポイント優遇還元が受けられるからといって急いで導入したもの、この優遇期間にコストを下げる仕組みを作ることができたか?となると
現実的には レジでの処理速度は速くなっても、経理の釣銭、両替、回収、記帳等の現金取り扱いコストは、全てキャシュレス化になった時にはじめて効果がでる話で、コストダウンにはなりません。
つまり、今のうちから、店舗オペレーション全体で非効率業務を見つけだして、削減し業務量を減らす体制を、組んでおきませんと、売上はとれても人件費が下がらないため減益。結果的にカード会社が儲かっているだけといったことになりかねないからです。
国内メガバンクは、キャッシュレス化を推進させれば、窓口で現金を取り扱う支店が減ることから、先行して大規模リストラを推進しています。チェーン企業も同じで、極端な話、店舗のキャシュレス化を戦略として掲げていくことで、業務量は相当軽減されることになります。
将来、現金対応を止めリストラするかどうかは別としても、現金を減らすことで、企業の現金(利益)が増えるというのは、紛れもない事実だということです。
一方で、少子高齢化により、今後、労働人口が減ることから、止めることの出来ない日々の業務をどうやってやりくりしていくべきか? 今の延長上で考えれば、専任担当者が定年退職したり、コロナショックのように感染者が出た場合、代わりに出来る人がいないため、営業時間短縮や休業日を増やすといったことを余儀なく対応しなくてはならなくなります。
大事なことは、「人に付いた仕事」を「仕事に人をつける」ことで、誰がやっても同じレベルで出来るように業務の標準化をしたり、人を介してやる業務項目や業務の絶対量どこまで減らすことが出来るか?ということを現段階から取り組み、そこで生まれたコストや時間を使い、増収、増益策を講じていかない限り、商店街のシャッター通りと同じことになるということです。
「利益を生まない非効率業務」という不満エネルギーを、一度人時に変換しその総量を調整することで、上がる人件費を抑制する仕組み作りに、経営として一気に着手していくということです。
経営として、不平と不満を光り輝くダイヤの原石に変え、貢献してくれた社員に倍返しができるくらいの報酬を出すことも決して夢ではないということです。
さあ、貴社では、この自粛の時間をじっと何もしないで過ごしますか?それとも次の一手の準備期間としてとらえますか?
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