「1」という数字がもたらす企業へのリスク
当社は、同族会社専門の財務コンサルティング機関です。社長と会社にしっかりと現金が残る会社づくりをすることで、結果的に、社長自身がお金のことを心配することなく、「自由で自立した経営」を実践することを目指しています。
現在、新型コロナ・ウイルスの影響もあり、リーマンショック級…東日本大震災より先が見えない…など、様々な憶測と不安が蔓延しています。一般の従業員であれば、自分や家族の健康に気を配り、最大限の感染拡大防止の措置を行うことになりますね。
しかし、同族会社の社長が守るべきものは、人命だけではありません。
会社も守らなければなりません。業種・業態によっては、急激な売上減少、物流のストップ・遅延からの資金繰り悪化などで、事業存続の危機に陥る企業も出てきています。実際に、大打撃を受けた企業が「倒産」という、悲しい道をたどっています。
経営において「1」という数字は危険である…というのは、多くの社長がアタマで理解していながら、実際に経営上の打ち手をせずにいるものです。「最悪の事態」が起きて、初めてことの重大さに気が付く…ということがあります。
例えば、企業が「1つの業種・業態」に大きく偏っていると、その「1つの業種・業態」の景気が悪化してしまうと、当然、影響を受けることになります。
また、売上が「1つの企業」に大きく依存していると、その「1つの企業」の景気が悪化したり、取引停止の打診…倒産した場合には、その時点で何もできなくなってしまいます。
「1」という数字の危険性は、売上だけにとどまりません。
仕入先が「1つの企業」に大きく依存していると、その企業からの供給がストップした時点で身動きがとれなくなります。今回の事態の様に、中国など「1つの国からの輸入」に頼っていると、商品納入の目途が立たなくなります。
もちろん、銀行取引も同様です。
「1つの銀行」に依存すると、その「1つの銀行」が絶対的なものになります。もしも、その「1つの銀行」がお金はもう貸さないと言うと、その時点で終わりになります。事業存続で最も重要な「お金」が回らなくなれば、倒産に陥らざるを得ません。
もちろん事業を立ち上げてカタチにする時には、「1つに集中」するため、「1」でもいいかもしれません。むやみに多角化経営をして、経営資源を分散してしまうのも危険です。
しかし、未来を見据え、本気で強く永く続く会社づくりを目指すのであれば、大変な状況に陥り慌てても、手遅れです。日頃から、自社の経営資源を棚卸、取引先開拓や強みを基軸とした事業展開など、事業存続の打ち手を積み重ねていかなければなりません。そのために最も重要な経営判断の基軸となるのが「財務」なのです。
社長の仕事は、強く永く続く会社づくりをすることです。
あなたは、社長として、会社の未来をつくれていますか?
ダイヤモンド財務®コンサルタント
舘野 愛
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