「リーダーになりたいの部下」と「リーダーになりたくない部下」の目的意識の違い
「最近の若者は出世欲が無い」とよく聞くようになりました。
私は前職はホテルマンでしたが、私自身は総支配人になることが目標でした。
婚礼支配人であった私が、あるミーティングで目標設定の話しをしていた時に、全員の「なりたい自分」とはどんな自分か?という話題になり、ひとりずつ発表する機会を設けました。
約15人名ほどでミーティングをしていたのですが「総支配人になりたい」を含め、目標設定に出世を挙げたのは私ひとりでした。
あとのメンバーは、
「新郎新婦やゲストを笑顔にしたい」
「一生に一度の結婚式という最幸の瞬間に立ち会いたい」
「プランナーを極めて自分を成長させたい」
「この仕事を通じて、社会から求められる人になりたい」
「素敵なドレスやアイテムに囲まれていたい」
といった、様々な回答がありました。
私はその時、「出世をしなければ給料も上がらなければ、影響力を持つこともできないのになぜ?」?と思いました。
それから15年が経ち、様々な業種の皆さんと研修やコンサルティングで触れ合う中で、その違いがどこからきているのかがやっと分かりました。
それは、仕事に対する「目的意識の違い」です。
人は、目的を持って仕事をしています。
私がよく聞く質問で「あなたの仕事の目的は?」という質問があるのですが、その質問の答えが、仕事に対するその人の価値観やモチベーションを表しています。
その答えの中で一番多いのは、やはり「生活の為、給料を稼ぐ為」なのですが、それはあくまでも手段であり、目的はもっとその人の根っこにあります。
その価値観は大きく分けて5つに分類されます。
1.貢献の為
「お客様を笑顔にする為」、「お客様をしあわせにする為」
2.成長の為
「自分を高めたい」「もっと成長して仕事ができるようになりたい」「自己肯定感を高めたい」
3.好きなことができる
「憧れの職業につけている幸福感」「好きなことをして給料がもらえる有難さ」
4.出世・名誉の為
「出世して偉くなりたい」「人から認められたい」「影響力を持ちたい」
5.責任・使命の為
「自分の責任を果たしたい」「自分の使命を全うしたい」
目的が複数ある場合もありますが、そのメンバーがどこに軸があるかによって、仕事への向き合い方は大きく変わります。
しかも、最近の傾向としては、仕事の目的が「出世・名誉の為」と挙げるスタッフが少なくなっていることも事実である一方で、「貢献」や「成長」を目的に挙げるスタッフが増えている印象を持ちます。
しかし、リーダー志望のスタッフが少なくなれば、企業の組織運営力は低下してしまいますので、どのようにリーダー志望を増やしていけば良いのでしょうか?
それには、リーダーのマネジメントを変える必要があります。
「出世したくないのか?」
「出世しなければ給料が上がらないぞ!」
ではなく、成長軸のメンバーには、
「リーダーになることで、君はもっと成長できるぞ!」
貢献軸のメンバーには、
「君がリーダーになって部下を教育することでもっと多くのお客様に貢献できるぞ!」
責任・使命軸のメンバーには、
「この目標を達成するには君の力がどうしても必要だ、リーダーとして組織をまとめて欲しい!」
といった声掛け、マネジメントが必要です。
それには、ひとりひとりのスタッフを観察して、どこに軸があるのかを見極める必要がありますし、「なりたい自分」を聞いてみることも効果的です。
従って「リーダーになりたいか」や「リーダーになりたくない」ではなく、部下の目的意識に応じたマネジメントによって、自分の目的を実現する為に「リーダーになる必要性」があれば、リーダー志望に変えることも可能です。
あなたの会社は、リーダー志望のスタッフをどれだけ創出できていますか?
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