「まず、生産性を上げる仕組みで回せる状態を目指す。それから生産性を倍増化するお手本をつくる。そして 人材不足を痛感する」
「先生 数値を見えるようにすることで現場の意識は変わるもんですね」
とあるチェーンの社長さんの一言です
――――ここは 入口です。業務改革で結果をだしていくにはこれから、人手が必要です。改革チーム増員の人選をしてください。とお伝えしました。
こういいますと、「小さな本部で現場の人員は厚くすべき」とか「現場が不足しているのに、本部を増やすのはちょっと」とか「店から人を抜いたら回らなくなる」といった話を鵜呑みにし、わずか4~5人の人員を本部に集めることに躊躇されます。
店の品出しとプロジェクトメンバーに求められる能力は、全く次元の違う話にもかかわらず、すべて一緒くたにするような企業で、人時生産性があがることはないということです。
語弊を恐れず申し上げれば、店の生産性が1割変われば×店舗数で、年間数十億の儲け増える次元の話です。部長一人、担当者を4人ぐらいで、2000万くらいの人件費は見ておいて下さいって、言うと皆さん驚かれるんですが、簡単な話、単年投資回収できるレベルの話です。
さらに、ここでは、生産性の基本から応用までを実践することから、卒業後どの部署に行っても、生産性を踏まえた業務が再現できるようになります。人材を育成しながら、生産性を上げていく仕組みを同時に行うレバレッジのかかった投資ということです。
小売業の新入社員として入社し、OJTの名のもとに先輩社員の背中だけを見て、単純作業を続けさせれば、昔ながらの品出し、加工、発注しかできない小売社員がものの見事にできあがります。
それでも、残ってくれればいいですが、長時間労の単純作業といった職場を選んで働かなくても、今の時代働きやすくて高い給与の企業は、いくらでもありますから、転職者が後を絶たないのです。
一方では、入社 3年目や5年目くらいで、プロジェクトに参加し、次々と新しい提案で、収益力アップに貢献している社員のいる企業は、周囲ですでに多く出てきています。
今は、販売コンテスト、接客コンテスト、メーカーの大陳コンテスト、様々なものがありますが、もし業務改革コンテストがあるとすれば、間違いなくトップクラスであり、将来の幹部候補といえます。
「現場に人がいないなかで、本部を増やすのはちょっと、とか、店から人を抜いたら回らなくなる、」とまともな顔をして 言われた社長さんの会社がその後どうなったかは、知りませんが、人時生産性は、こうした決断の連続です。
社長が主体に動かなければ、何ひとつ変わることはない。と申し上げています。
「そんなことない 人時売上が上がって給料もあがるから社員だって喜ぶはず だから社員が主体で動くことが大事だ」という声も聞こえてきそうですが、
――――それは、人時売上を上げて 業績賞与をちゃんと出せている企業のセリフ。だという事です。
人時売上と聞くとなんとなく聞こえはいいですが、これを引き上げる仕組みも組織もないまま、掛け声だけであがると思っておられる経営者が多いのも現実なのです。
例えば、業務をだれにできるようにする業務の標準化といったことがありますが、今まで好きな時間にやることを認めていた作業を、いきなり夜シフトで出勤して、その時間内でやれ!といわれたらどうなるか?ということです。
会社都合で、むやみにシフトを変えたりすれば、自由にできず面白くなくなり、抵抗勢力が増えるのです。今までやってきた自分のペースで仕事ができないということは、各個人にとっては大きなマイナスにしかならないのです。
社長の仕事は、こういった不満分子を味方に付け、生産性改善に協力してくれる人をつくり徹底して称賛することです。店舗を回った時でもいいし、一番いいのは 年に1度社員集会のような場を設けて従業員MVPの表彰大会することです。と申し上げています。
生産性を上げる働き方をすることが、個人の承認欲求を引き上げ、会社を盛り上げることができるからです。
企業規模に関係なく、こうした、従業員への賞賛は、企業風土を刷新し、さらに高いステージでビジネス展開をするのに欠かせないのです。
人に付いた仕事から 仕事に人をつけかえ、どういった仕事も誰でも出来るようにすることで、個人の仕事の幅が拡がります。女性の就業率が高まる中、女性幹部社員が増えれば、優秀な人材確保の可能性が拡がり、人事制度でも大きくリードすることができます。
人時割レイバースケジュールを稼働し始めると、利益追求のためのシフト調整が進んでいくことから、今度は「使いにくい」とか「現場には難しい」といった意見や不満が増え、新たな抵抗勢力が出現してきます。
そもそも、小売業の店舗の現場は、複雑で作業量が多いため、それをシステムに乗せようとすると、複雑となるのは当然の事と言えます。そのためには、企業として業務を簡素化し、絶対量を減らしていくことが必須となります。
もし、スマホアプリのように誰にでも使えるモノであったら、業務改革などやらなくても、全ての企業で数億のお金が増えていくコトになります。
現実はそうならないことから、人時割レイバースケジュール使いこなせるようになることに、大きな意義があるのであって、面倒なことが出来る企業は、優位に立つことでき、飯が食えるわけです。
そういう意味では、社長ご自身が、人時得割りレイバースケジュールに詳しくなっておかなくては、役員や店長への指導はできなません。結果を出すために、業務改革メンバーを強化し、仕組み作りに参画させることであり、それを決断していくのは社長しかいないという事です。
そうは言っても、「人時について全く触れたことがない」と言う方もおられます。
聞きかじりや中途半端な方法で、失敗したくないのであれば、ゼロから学んでください。とハッキリ申し上げています。
まず、月1ペースで、定期的に人時売売上の最大化について、自社を題材に売上と人時を理解する習慣づくりから始めてください。
なんでもそうですが、「わかる」ためには「今、何が分からない」のか?を明確にし、動いてその機会を得ることが、結果を変えることにつながるものだからです。
実際に取組まれたことがある方ならお分かりになると思いますが、
「何か新しいことへの取り組むことは出来ても、現状を見直し何かを取りやめることは、想像以上に難しい」ということです。その仕事がなくなると携わっていた人からの反発が起きるからですが、それをクリアさせていくための骨子を作り、組織的に動かなければ出来ないということです。たとえ、売上は昨年と同じでも、この仕組みを持つかもたないかで、利益の出かたが倍となってくるのはその為です。
さあ貴社ではまだ、社員に人時売上を丸投げし、無駄な時間を費やしますか?それとも社長自ら動き 利益倍増の仕組みを手にしますか?
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