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MLB大谷選手からも学ぶ、中小企業経営におけるSWOTの考え方とは?

SPECIAL

ギフトビジネスコンサルタント

株式会社売れるギフト通販研究所

代表取締役 

日本で唯一のギフトビジネスコンサルタント。流通、通販、ギフトの各業界通算30年以上の経験を持ち、2015年に独立。2017年には培った独自ノウハウを体系化し、ギフトビジネス専門のコンサルティング機関「売れるギフト通販研究所」を立ち上げ、多くの企業を指導。幾多の企業を成功へと導く。著書に『「ギフト商品」を通販で売る』、『儲かる「ギフト化」で飛躍する3大ポイント』がある。

 ある日のコンサルティング現場でのことです。

ひとしきり終わってから、このような質問を受けました。

「先生、次回までの課題として”自社の強み”を洗い出して提出してくださいとのことでしたが、これはSWOT分析ですよね?」

「そうですがSWOTの中のSだけで、他は不要です。自社のStrong Pointだけを書き出して提出してください。」というのが、私からの回答でした。

SWOTをご存知の方は多いと思いますが、一応、各頭文字の意味を記します。

S・・・Strengths  /強み(私は独自にStrong PointのSと言い換えています)

W・・・Weekness   /弱み

O・・・Opportunities/機会

T・・・Threats           /脅威

私のセミナーやコンサルティングでは、独自商品を軸に発展させることを基本としており、SWOTを無視しているわけではありませんが、そのためには、とにもかくにもStrengths/強み、特に社内のStrong Pointを、より明確に研ぎ澄ましていただくことを最も重要視することをお伝えしています。

弱みや機会=販売、脅威=競合は意識しないのか?

全く意識しない訳ではありませんが、事業規模も打って出ている市場も、競合も数多い成熟した大企業であるならいざ知らず、中小企業においては、競合などを意識しすぎては、すぐに価格競争、スペック競争に陥ります。

押しの強い営業活動や、多額の広告宣伝に投資を続けられるなら、売上は一時的に上がるかもしれません。

一方で、利益は描くようには得られず、人もモノも金も、全てのリソースが疲弊していき、中長期での発展には繋がっていきません。

リソースが限られた中小企業の中長期戦略では、徹底的に自社の強みを磨き、独自の商品やサービスを開発し、粗利を確保し、その商品・サービスに合った営業活動やマーケティング活動を、無駄なく効率的に打つべきで、競合他社やマーケット状況、景気などの外的要因に左右されにくい状態の構築を、まず目指すべきなのです。

ウチの弱点はどこだ?

ブルーオーシャンはどこだ?

競合はどこだ?

これらは、SWOTでいうところの、W・O・Tですが、Sと同時や、Sより先に考えてはいけません。

W・O・Tは必ず、Sの後に考え対応していくものであると、私のコンサルティングではお伝えし、現に成功している当社クライアントは、その考え方から成果を生み出しています。

昭和の昔と違い、作れば売れる・・・という時代ではないのはお分かりでしょう。

平成の30年も通り過ぎ、今は令和の時代です。

時代の需要も、ニーズも、市場も、消費者心理も、生活環境も、気候も、世界も大きく変化しています。ネット社会が当たり前となり、IoT、5G、AI、3Dプリンターなど、ものすごいスピードのデジタル進化が、全業態において牽引する時代です。

リソースの少ない中小企業にももちろんチャンスは沢山ありますが、ただ時代やデジタルを追っかけているだけでは、追いついたなと思った時点では時遅し・・・となるスピードです。

時代のスピードを無理に追いかけるのではなく、自社の強みを徹底的に磨き、それを商品・サービスに込め、競合など外的要因に振り回されないことが時代を生き抜き、発展していく術である

と、私はこれまでのクライアントの成功を通じて、より強く思うようになりました。

先日何気にYouTubeを見ていた時、MLBで活躍する大谷選手に関する動画を、たまたま目にしました。

花巻東高校で同級生だったサウスポーの控え投手が、大学・社会人を経て、今年マイナーリーグに入ることから最終的にMBL入りに挑戦する・・・という内容でした。

挑戦する彼が、MLB先駆者で同級生の大谷選手に質問し、言われたことを絶対に忘れないと言っていたことが深く印象に残りました。このやりとりです。

「自分のような投手は、今のMLBでどんな需要が、どこにありそうかな?」

大谷選手はこう答えたそうです。

「需要があるかないかではなく、自分がその需要を作り出せばいいんじゃないかな」

トップアスリートとは言え、まだ25歳同士の会話です。考え方すごいですね。

大谷選手は、日本のプロ野球に入る時も二刀流を続けることで、物議を大きく醸し出しました。

「プロ野球をなめている!」「どっちつかずでもったいない」

しかし、やってみないと分からない。そこに賭けたのは、まだ18歳だった大谷選手自身の、誰も歩んでこなかった道を行く強い意思と、日本ハム球団のサポートでした。

MLBに行く時も、アメリカ側からは二刀流を概ね、マーケティング的には歓迎はされていたものの「流石にメジャーレベルで二刀流は通用しないだろう」と、現地の記者や元メジャーリーガーの解説者からよく言われていましたよね。

大谷選手がMLBでも二刀流を貫くためのSWOTを、私なりにあてはめますとこんな感じかと。いかがでしょうか。

S  投打をプロレベルでやれる二刀流

W   故障のリスク、出場機会が限られることでスーパーな記録は残せない

O 二刀流を受け入れてくれる球団やリーグ、応援してくれるファンがいる環境

T    二刀流を拒む外野の声、MLBの凄いピッチャーやバッター

Sの二刀流でのプレイそのものを磨き、認めさせることに努力や鍛錬を集中させ、結果を出し続けることで、道がどんどんと開かれていっていると思いませんか?

今では今年、二刀流の選手登録のルールが正式に作られたほどになったのです。

もし、W・O・Tの方を先に意識して潰すことを考えれば、二刀流という独自のスタイルはなし得なかったでしょう。

大谷選手はもう誰もが認め、個人としては大金を稼ぐ人気トップアスリートですが、その存在をビジネスで捉えたらたった一人の事業主であり、中小どころか零細企業かもしれません。

ここでもう一度、大谷選手の言葉を引用します。

「需要があるかないかではなく、自分がその需要を作り出せばいいんじゃないかな」

ぜひ今一度、真剣に自社の強みを考え、磨いてみてください。

 

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