数字を読む ― 2兆2,525億円 ―
この数字は、2020 年の食品宅配市場規模予測である( 矢野経済研究所調べ)。図の通り主要業態8 分野を対象に調査し、少子高齢化や女性の社会進出、ライフスタイルの多様化を背景に、食品宅配市場は堅調に伸びていることが明らかとなった。
食関連市場が縮みゆく中、このように食品宅配市場が拡大基調にある一つの要因は、ミールキット(料理キット)の需要が高まっていることが大きい。ミールキットとは、レシピ(献立)と調理に必要な人数分のカット済みの食材(肉・野菜・調味料)がセットになったものである。
このミールキットは、手作りにはこだわりたいが、毎日の献立づくりや買物、調理時
間には時間をかけられないという子育て・共働き世帯からのニーズが高く、また高齢、単身世帯の需要も高まっていることから、大きな成長が見込まれている。
それに伴い、AmazonやNTTドコモ、シャープ、イオン、イトーヨーカ堂、タイヘイ、シュガーレディ、楽天・西友ネットスーパーなど、異業種を含め、ミールキットECに参入する企業が相次いている。
中でもシャープは、2017 年10 月に調理家電「ヘルシオシリーズ」専用の料理キッ
トを宅配するサービスとしてEC「ヘルシオデリ」を開始しており、順調に利用者数を増やしている。
昨年11月には冷凍品を投入するなどサービスの幅を広げて、ユーザーの声に耳を傾けながらアイテムを充実させている。
またNTTドコモは、昨年7 月25 日からオイシックス・ラ・大地と協業のEC サイト
『dミールキット』をスタートさせて、好調な滑り出しを見せている。すでに定期会員も1000人を突破し、男性の利用者も意外に多いという。
本調査結果では、「毎日の献立を考えるのが面倒」(46.7%)が最多で、次いで「料理に時間をかけたくない」(35.7%)、「食材が余らない」(31.0%)など、調理にかかる時間や手間をできる限り削減したいという時短ニーズに加えて、余計な食材を買って余らせたくない(ゴミにしたくない)という需要も高いことが示された。
今後も食品宅配は、シニア層や共働き世帯を主要なターゲットに日常利用が加速し、生活に不可欠なサービスとして拡大していくだろう。
食品宅配市場規模予測(矢野経済研究所発表)
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