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できる経営者は結局どこが違うのか

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「できる経営者はどこが違うのか」―― 先日、同業の仲間と食事をしているときに、この話題になりました。

行動がはやい、世の中がよく見えている、社員の心をつかむことができる、思考力がある…… 実にさまざまな意見が出ましたが、私の考えはひとつです。

それは、「疑う力がある」ということです。

世の中の常識や、世間で正しいと思われているもの、あるいは自分でも当たり前だと思っていることやずっとやってきたこと… そういった、人が疑わないことを疑える力があるかどうかで経営者の質は決まります。

これは、過去の投稿でもお伝えした「思考→行動の原則」をみても明らかです。

人は以下のステップをたどって思考と行動のサイクルを回していきます。

①疑念(なぜだろう)
 ↓
 ②思考
 ↓
 ③信念(ならばこうしよう)
 ↓
 ④行動

つまり、経営者にとって言うまでもなく必要な素養である「思考力」も「行動力」も、最初の「疑う力」がなければ始まらないということです。

経営者が疑う力を持たないことの弊害はさまざまです。

たとえば、疑う力を持たない経営者は「理念」を持ちえません。疑う力がないと、社会や業界の現状を見ても「これではいけない」と思えないですから、その現状を変えていこうという「信念」を持つことができないからです。

ここでいう「理念」とは、当然ながら、ホームページをつくる際に他社の理念を参考にして慌てて作ったようなものではありません。もっと本質的な、経営者が人生を捧げて取り組むレベルのものを指します。

そして、そのような本質的な理念を持ちえないということは、「なぜこの事業をやるのか」という「事業の目的」を見出すこともできませんから、顧客や社員を動かすことも難しくなります。

また、疑う力がないとビジネスチャンスも見逃します。この理由は上記と同様で、社会や業界の現状を「本当にこれでいいのか?」と疑うことが弱いため、顧客の困りごとや未解決のニーズに気づけないからです。

自社のUSP(独自のウリ・強み)が弱いというのも、経営者の疑う力の欠如の表れです。競合他社がやっていることを疑えず、それが正しいやり方だと思ってしまうために、自分たちもそれを真似してしまうからです。

このように、疑う力を持たないと事業はありきたりなものとなってしまい、顧客に刺さらず、業績も上がらないということになります。そして、そんな状況になっても自社の今までのやり方を疑えず、同じやり方を繰り返してジリ貧になっていくのです。

儲かる事業を実現させるためには、とにかく経営者が「疑う力」を鍛えることです。そうすれば、当然ながら上記と反転した現象が起こります。

社会の現状を疑い、それを自分たちで解決すると決断するならば、それが理念となり、経営者自身が困難に立ち向かう原動力となり、また社員を導く旗印となります。

そして、その理念の実現のために自分たちが何をすべきかをしっかり考えたならば、それが自社のUSPとなり、他社との本質的な差別化を実現することができます。

なおかつ、常に疑う力を持って日々の経営に向き合うならば、自分たちのやり方が本当にこれでベストなのか、なにかもっといいやり方はないのかと、自己満足に陥らず、常に変革を模索することができます。

この「自分を疑う」「自己を否定する」というのは一番苦しいことです。しっかり自分の信念をもってやってきた人ほど、自己否定に向き合うことに抵抗を持たれるかもしれません。

しかし、そんな自分が守りたい理念や信念があるからこそ、その実現のために自分が正しいと思い込んでいる前提や、当たり前と思っている常識といったものを疑い、捨てていく必要があります。事実、継続的に成果を上げている人ほど、いままでの成功体験に固執せず、常に自分のやり方を疑い、新しいものに挑戦していっています。

当社がご支援している「特別ビジネスの構築」も、そんな「いまの常識を疑う」という発想から進めていきます。業界や自社のこれまでの「普通」を捨て去り、顧客も驚くような「特別」を模索していきます。顧客にとって「他にない特別な存在」となることでしか、儲かる事業を成立させることはできないからです。

「普通」「ありきたり」といったレッテルを貼られないために、そして真の顧客貢献を実現するために、自分たちの常識を疑い、絶え間ない自己否定に向き合っていきましょう。

 

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