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新商品開発の基本

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

店舗ビジネスで新たな商品やサービスを開発する際、良く見受けられるのが「闇雲」に手当たり次第アイデアを挙げ、その中からちょっとマシなモノを新商品・サービスとしてテストすることもなく店舗にて提供してしまうことです。大半が知らないうちになくなっており、それにかかる経費、時間、労力を考えれば相当な無駄となります。そしてその失敗を記録することもなく、同じような流れで新商品・サービスを展開し、同じように失敗することを繰り返します。 

新商品・サービスの開発には様々な注意すべき視点があります。「誰に向けてか」のターゲットの設定は言うに及ばず、モノであれば原材料の調達や生産方法、サービスであれば技術や習得方法の確立、さらに展開時期や販売方法、プロモーションなど多種多様な視点を漏らすことなく考える必要があるのです。 

要は冒頭に述べたような「思いつき」で新商品・サービスの開発を行ってもほとんど失敗するということです。詳細に入り込むと本が1冊以上書ける内容になりますので、ここでは開発の基準および発想のためのマトリクスをご紹介したいと思います。 

マトリクスは四角(□)を縦軸と横軸(+)の異なる判断基準で区切り、4つのハコに分けることで自社のポジションを明確にするツールです。例えば縦軸が価格の高低、横軸が新規客および既存客とすると、価格と顧客度合いから見た4種類のハコが出来上がります。ここで自社の新商品をどの位置に持っていきたいのか、ポジションを明確にしたうえでアイデアを出していくわけです。 

私が実際に使った例では、「過疎が進む商店街店舗における新商品開発」があります。縦軸に地域客と地域外客、横軸に地産品と他産品を当て、どこを狙ってどういう戦略を取るかという判断基準を得るために活用しました。当店の経営者にとっても、図で見ることで理解しやすくなり、自信をもって行動できる基盤になっています。 

マトリクスのメリットは漏れなく考えが俯瞰できることで、軸の内容を変えることでさらに細かく具体的に分けていったり、あるいは逆に大きく抽象的に見ていくことが可能となります。冒頭のような思いつきでの発想は「点」の集まりとなり、必ず漏れやダブりが発生します。この点、マトリクスでは全体像を得られますのでその心配はありません。 

ただし、マトリクスは縦軸と横軸に何を持ってくるかで発想のレベルが変わります。これについては、繰り返しおこなうことでその精度は増していくため、日常でツールとして使って行くことをおすすめします。

 

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