今回は我々の事業展開に大きな影響のある、食のニーズとそのトレンドに関して考察してみました。
今後、食のニーズがどのように変化していくのか考えてみます。
2年ほど前に日本能率協会総合研究で「家庭の食卓トレンド調査」など家庭の食に関する調査を行っています。その中から我々の活動にとって興味深い部分を紹介したいと思います。
家庭の食事は手間をかけないことに対する主婦の意識の変化があります。以前ですと手抜きと言われていたことが短時間で美味しいものを作ることは先進的で、むしろスマートであると捉えられてきています。
後ろめたさを感じる必要もなくなっているのです。
そういう意識が広まった結果持ち帰り弁当や、惣菜の中食を使うことに対しての抵抗感は薄れてきています。
もう一方で節約志向があります。デフレ時代に節約が当たりまえ、節約にやりがいを感じる側面もありました。
食事にお金をかけない傾向が「食への関心が薄らいでいる」ことにつながっていると分析しています。
割安な飲食店の増加、中食の普及で食事自体が楽しみではなくなり、関心も薄くなり、できるだけ手間もお金もかけない人が増えていると見ています。
その中で最近ではコンビニとフードサービス店とのボーダーレス化が進んでします。コンビニのカウンターで食事をしている人は確かに食事を楽しむということでないようです。
食への関心の低下は、味の画一化に原因があるのではないかと見ています。万人受けする決まった味に慣れてしまった結果、複雑な味や食べたことのない味に抵抗を感じる。苦味や酸味を子どもはもともと嫌う味ですが、それを嫌う大人が増えている「味覚の子ども化」が進んでいると分析しています。
もう一方で、高齢者の存在は大きなものがあります。年齢が上がると薄味、肉よりも魚、洋食よりも和食を好む傾向があります。
しかしファーストフードやファミリーレストランで育った高齢者は食の志向は変わらず「肉好き、洋食好き」の高齢者も少なくありません。高齢者=魚、高齢者=和食というステレオタイプの発想は通用しないと言えると言っています。確かに「いきなりステーキ」にひんぱんに通う高齢者も多いと聞いています。
我々が食のビジネスに携わる中で食ニーズがどう変化していくのかトレンドを考えるのも非常に重要なことです。
又、特にコンビニとボーダーレスになっているフードビジネスの中で、フードサービス業が目指すべき方向性としては、 コンビニとか家庭ではできない素晴らしい体験、美味しい料理「食体験」をいかに提供できるかにかかっているのではないでしょうか。