値決めこそ経営。あなたの会社の商品価格は、あなたの会社の真の価値を表しているか?
当社は今年3月に5期目の決算を迎えますが、 おかげさまで過去最高の増収増益となりました。
思い返せば、創業当初は1件のクライアントしかなく(ゼロよりは大変ありがたかったです) コンサルティング料も今の半分以下の良心的すぎる? 設定で正直、実績の割りには合っていませんでした。
現在では倍以上となったコンサルティング価格ですが、ご依頼のクライアントは嬉しいことに毎年増え続けています。
今日はそんな当社の内幕??も大公開!させていただきながら、価格、”値決め”をテーマにコラムを執筆しました。
どんな会社経営にとっても重要な ”値決め” 。そしてその難しさ・・・
このお正月休み期間中、九州全土を動いていらっしゃる、農産物加工品6次化推進コーディネーターの先生に、ご縁があって博多でお会いしてきました。
その先生とは年末に、東京でのあるビジネス交流会で初めてお会いしたのですが、その時に「農産加工品のギフト化を、ぜひ九州で一緒に実現していただけませんか?」ということから「では、年始に博多に行きますので、あらためてお話ししましょう」となり、実現しました。
お話しをしていく中でまったく共通で思っている、とても重要なことが出てきました。
それは、生産者などの事業者さんの「”値決め”の適当さ、曖昧さ」でした。
すごく良いもの、美味しいものを作っているのに、市場を理解しようとせず、自分たちの考えられる範囲の中だけで決めてしまい、安く安く提供しようとされると言うのです。
「私は、百貨店などへの販路開拓を支援しているのですが、モノの良し悪しの前に卸価格や上代設定でバイヤーにハネられてしまいます。商品デザインも重要なのに事業者さんはそこには価値を見い出せず、やぼったい商品のまま、まったく製品の価値がバイヤーに伝わりません。どうしたら理解してもらえるか困っています・・・。」
「見た目も綺麗で上品なギフト商品に出来たなら解決できる気がしているのですが、園さん、力を貸していただけないでしょうか」と言った具合です。
私も長年そういった中小企業や生産者さんを数多く見てきていますので、なぜそうなのかはよく理解できます。
デザインやブランドのような無形なものに価値を見出せない=お金を使いたくないのです。
結果として、製品は優れているのに商品はダメ・・・ということになり、さらに悪いことに販売側の利益もないような、市場をまったく理解していない価格設定になってしまっているのです。特に地方メーカーでは、本当によくあることです。
地方ですので、東京のようにいつでもリアルに、中身も見た目も価格もたくさん見れるものではないですし、直接商談の機会も限られているでしょう。
また、マーケティングやブランディング分野などでの優れた人材がいる訳でもないので、致し方ない側面もあります。
そういった時に先のコーディネーターやコンサルティングの活用が望まれるのですが、何を誰を信用していいのか・・・という猜疑心は常にあります。
ここで、手前みそで大変恐縮ですが、無形ビジネスを提供する当社のケースを公開しましょう。
私自身そのものが、提供する商品でありサービスであるわけですが、そのポイントはこんな感じです。
- 創業後のクライアント成功実績が積み上げられている
- 体系化された独自のコンサルティング理論を専用プログラムで提供
- ギフトを通販で売れる、売れ続ける仕組みを商品をベースに構築する
- 日本で唯一のギフト通販専門コンサルタントである
- 日本で初めてギフトビジネスを解説した著書を出版している
- 主催セミナーを定期的に東京や大阪等で開催している
- 通販業界・ギフト業界の第一線で、通算30年のキャリアがある
こういった複合的な要素から、現在のコンサルティング価格設定をしており、求められているマーケット(クライアント)の望む売上利益の規模などと照らし合わせながら「妥当である」という結論を持って、“値決め” を行っています。
コンサルタンティング業は物販と違い、目に見えるも商品やサービスではありません。ですので、コンサルタントを目指した創業当初、最も難しかったのがこの”値決め”でした。
結果、この5年の間に3度に渡ってコンサルティング内容のブラッシュアップと同時に価格の見直しを行ってきており現在に至っていますが、常にクライアント発展のためブラッシュアップは続けています。
さて、当社のお話しはこれくらいにして、物販の商品値決めに移りましょう。
当社のような無形サービスと、実際に現物がある商品販売は一見大きな違いがあるように見えますが、その両方を経験してきた私の見解は「まったく同じである」と、断言します。
唯一の違いは現物商品の場合、製造原価がハッキリと見えることぐらいでしょうか。
「値決めこそ経営」という言葉は、経営の神様、京セラ稲盛さんのあまりにも有名なお言葉ですが、事業経営を行ってからは、まさに強く共感します。
値決めの一般的なやり方は、コストプラス法や、競合他社、同業他社の類似商品やマーケットニーズに価格を合わせる、または下回るなど、様々ネット情報やビジネス書でも得られますが、多くの事業者がどこかに当てはまることでしょう。
ですが、特に中小企業経営者にとって最も良く、最も望みたいことは
「自身でつけたい値段をつけ、それでも利用者が一定数あり、望む利益を得られる」こと。
そのためには、独自化された商品やサービスかつ、それが消費者に支持される状態を作ることでしか、望む値決めは出来ないのです。
綺麗なデザインパッケージや、製品のブラッシュアップだけではありません。
- あなたの会社がこれまでどのような歩みがあるのか?
- どのような素晴らしい製品をこれまで生み出してきているのか?
- そのために日頃どのような努力や、やり続けていることは何なのか?
- お客様にどのようなことで支持されているのか?
これらの複合的要素を、提供する商品やサービスに対してどのようなデザインに込め、販売活動=マーケティング活動を通じ、どう伝えていくのか。そのための予算をどう捻出するか。
製品や同業者だけに目が行っては、望む”値決め”は、いつまでたっても出来ないのです。
有名画家、パブロ・ピカソにこんな逸話があります。
ピカソがファンの少女から道端で絵を頼まれて描いてみせ、「この絵は100万ドルだよ」「えっ?、たった30秒しか描いていないのに?」
「違うよ。30年と30秒だよ」と答えたピカソ。
これこそが商品価値の価格表現であり、 "値決め" なのです。
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