研修の意味
店舗ビジネスにおける人材育成はOJTが重要である一方、その補完のためのOFFJTも同様に重要となります。と言ってはみるものの、昨今の人手不足の折、店舗の営業時間や休日の兼ね合いから、スタッフにOFFJT、つまり研修やセミナーなどのための時間を与えることは難しいのが現状ではないでしょうか。
OJTもままならない状況で、「このくそ忙しいのに効果があるのかないのかわからない研修なんか受けさせてられるか!」「店の仕事が一番勉強になる!研修なんか無駄無駄!」「研修の間も給料が発生するんでしょ?さすがにそんな余裕はないね!」などと言う言葉が聞こえてきそうです。
企業の規模にもよりますが、経営者夫婦とアルバイト、パートさんが数名などであれば、研修の必要性は全く感じないかもしれません。むしろ余計な知識を覚えてくることで業務に支障をきたすんじゃないかと心配する向きもあるのではないでしょうか。
また、別の視点では研修自体の「質」がバラバラであることも経営者にとってOFFJTを躊躇する要因となります。研修は提供する機関や団体、企業などで同じようなタイトルでも内容は玉石混交であることが多く、内容は問題がなかったとしても「期待したものと違った‥」というミスマッチも起こり得ます。
いずれにしても、必要だとは到底思えない、しかも当たり外れがあるような研修に時間もお金も労力も使いたくないのが経営者としての本音ではないでしょうか。私も一経営者として、その気持ちがよくわかります。しかし、店舗周辺だけで完結するような仕事の仕方は非常に危険です。そのままだと視野が恐ろしく狭くなり、現状維持をさらに強く求めるようになります。
研修はその内容を習得することも大事ですが、私に言わせれば研修に参加する他業種の人とのコミュニケーションに大きな意味があります。普段の仕事や生活の中では絶対に知り合えないような人と関りを持てます。強制的に「視野」が広がるのです。
視野の狭さはあらゆる弊害を招きます。井の中の蛙、お山の大将、裸の王様(ちょっと違う?)など、様々な表現で表されてきました。要は、「それ以上成長しない」のです。もうこのままでいいという人もいます。当然好きにすればいいのですが、私はそんな状態に賛成できません。
成長を志向しなければ経営者の資格はありません。当然スタッフにも成長を求め、成長させることは経営者の使命であると考えています。あらゆる手段を駆使し、自らも、雇用するスタッフも成長することで今よりももっと「良い状態」を目指すことは経営者に課された最も重要な仕事の一つだと思います。
成長へつながる「視野の広さ」を得るためにも、OFFJTを存分に活用し、経営者としての使命を全うしていきたいものです。
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