“時代の波”を売れる化する具体的戦略
改元、即位、増税などのイベントが盛りだくさんだった「令和元年」。いよいよ大詰め、新しい年がすぐそこまで来ています。さて、2020年の方向性のなかで、ビジネスにかかわるキーワードのひとつに「地球の環境配慮」があります。具体的にはそれぞれの産業で、サスティナブル(sustainable)、ネイチャー(nature)、エロコジカル(ecological)、エシカル(ethical)といった倫理的な言葉を基盤に、アウトプットされていきます。
そうした時代の風を背景に、わたくしどもがずっと提唱してまいりました「商品リニューアル」戦略が、当たり前の経営戦略として認知され始めています。先日も弊社セミナーに参加された食品メーカーの商品リニューアルがメディアで大きく取り上げられました。
その会社は、有名企業が持っている「休眠特許」を活用させてもらい、既存商品をリニューアル。特許を持っていた企業の高いブランド力と、既存商品の「強み」を上手に掛け合わせてネーミング化。これが評判となって見事に大ヒットへと導いてます。企業の資源を強みに商品リニューアルを行った好例です。
大手企業もまた、今商品リニューアルの風が吹いています。3期連続最高益を出している伊藤忠商事。繊維カンパニーとしての本業、繊維の商品リニューアルで好調です。
12月1日付の日経新聞朝刊では見開きで全段広告掲載。テーマはサステナブルで、「着なくなった服が、また着たくなるような服に生まれ変わったら、いいと思いませんか?」と提言しています。
伊藤忠では廃棄服や裁断クズを回収。分解して、糸にして、布にして、製品化する。そんな繊維再生を仕組み化し、再生繊維商品の新ブランドを立ち上げたのです。その名も“RENU(レニュー)”。広告で大々的にPRをしています。もちろん、ネーミングのRENUは商品リニューアルの“Renewal”を想起させる造語です。
伊藤忠の場合は、意図して「持続可能な開発目標(SDGs/エスディージーズ)」のアクションとして立ち上げています。が、中小企業においては、まだまだ時代が求めるトレンドへの意識が薄いものです。SDGsとしての「商品リニューアル」という、考え方まで発展させることができていません。
しかし、重要なのは自社の内情がどうであれ、顧客からは「商品リニューアルはSDGsの取り組みのひとつ」として視ることができる。そういう時代環境が整いつつある、ということです。経営において、この気づきこそが非常に大きな分岐点となります。
わたくしどものセミナーに参加されたのち、個別相談にてあらためてお話をうかがう時、多くの経営者さまが、「次のヒット商品を育てたいが、看板商品のイメージが強くて脱却できない。新商品を出しても、看板商品に超えることができない」と吐露される経営者さまがいらっしゃいます。看板商品にまつわる悩みは案外たくさんの方が心の奥にお持ちです。
キッパリと申し上げます。「超える」や「超えない」、「新しい」や「飽きた」といった二極の方向で考えているその「時間」が損をしています。非常にもったいないことです。なぜなら、わたくしたちは『売れる商品をつくる』ことが、そもそものミッションだからです。『売れるものを前に出す』。これがわたくしたちの使命だからです。
今を生きるお客様、今という時代に合わせて商品サービスをリニューアルすることが、企業の存在意義です。看板商品は、自社における「データ」の1つ、と捉えてください。否定する必要はありませんし、過大に肯定することもありません。
すべては「今のお客様にとって欲しい商品になっているか」「今を生きるお客様にとって魅力ある商品やサービスになっているか」という視点です。何を作るか、ではなくて「何を出さないか」を考えることです。売れない商品はやらない、と経営者であるあなたが決めるだけで、悩みや不安が消えるはずです。
わたくしどもの商品リニューアルは、既存商品を否定も肯定もしません。ゆえに「成功していた過去を乗り超える」といった、経営者の苦行でもありません。いわば、「視点を変え、世界を変える」という、思考の切りかえによって、新たな商品に再生(リボーン)させる独自手法です。弊社の商品リニューアルとは、自社ビジネスのパラダイムシフトを促す「仕組みづくり」です。わたくしどものコンサルティングを通して、自社独自の新しいヒットの方程式を手に入れることに他なりません。
さぁ、時代が大きく変化しています。この変転の風をお感じになってますでしょうか? お客様もまた変化しています。お客様がときめくような、心がワクワクするような、想像力を刺激する商品を送り出す準備は調ってますでしょうか?
商品とは企業の核であり、商品力を高める「商品リニューアル戦略」は、経営そのものです。新しい年がスタートする目前、今こそ“商品力の磨きあげ”を決意する立志の時を迎えています。
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