付加価値と言いますが・・・価値は果たして付加するものなのか!?
クリスマス商戦も本格化してきましたが、当社が推進する大切な人への贈り物のギフトビジネスの特性上で、避けて通れないのが「デザイン」「パッケージング」です。
セミナーやコンサルティング現場での指導は、まず売れる商品を生み出すためにどう考えるのか?を軸にしますが、ギフト商品のみならず製品そのものの価値を高めるのは当然のことで、その出来上がった製品の価値をしっかりと消費者に伝えるために欠かせないのがこの「デザイン」「パッケージング」の領域です。
大枠で語ると「ブランディング」の中に存在することですが、その大事さをなんとなくは分かっていても、特に中小メーカーでは製品の出来に満足して「デザイン」や「パッケージング」が、どこか中途半端になっているケースもよく見受けられます。
また「社内にデザインが出来る社員スタッフがいますので、うちは外注しなくても大丈夫なんですよ!」と意気揚々に語られる経営者の方にも遭遇することもあります。
こういったケースでは多くの場合、プロにデザインを委託した場合とでは質の差が大きいことの方が圧倒的に多いです。
デザインを社内で賄う多くのケースでは、いいデザインにしよう!ではなく「外注せず、安く仕上げよう」というところに話しは尽きます。
利益貢献価値がよく分からない「ブランディング」→「デザイン」「パッケージング」。
だから安く出来ればそれに越したことはない・・・。といった考え方です。そこに価値を見出すことが出来ていないのです。
先日、私が参加した主にメーカーさんが集まるあるビジネス交流会で、業務用食品メーカーの副社長が小売用の新商品を開発され、参加者全員にそのサンプルを配布し、壇上で紹介されました。
副社長はこう言われました。
「ラベルに記した商品名の文字は、社内で字のきれいな人達を集めて書いてもらったものと、著名な書家の方に書いていただいたものを比較しました。しかし、さすがにプロには敵わない!全然仕上がりが違いました!皆さん、どうですか?素敵でしょ!?」
製品特徴はほとんど語らず、ラベルデザインのお話しに終始されたのです。さらにそのデザインをされた書家の方も会に呼ばれ、壇上に上げられて参加者に紹介されました。
私はこの副社長の話しを聞きながら「いいぞ!副社長さん!」と心の中で叫んでいました。すごくクリエイティブの凄さ、プロの凄さ、文字デザインの良さに感動されたのでしょう。
製造メーカーでは多くの場合、開発へのこだわりや苦労が伴いますから、どうしても製品そのものの話しになりがちです。それはそれで必要かつ重要なのですが、せっかく苦労を重ねて開発した製品をどういう風に”商いの品”=”商品”にするかは「デザイン」「パッケージング」の質の高さこそが、実は最も重要なのです。
その製品の価値を消費者に伝えてくれるコミュニケーションツールとなるだけでなく、商品価値や企業価値をさらなる高みへと引き上げてくれる大切な役割を持っているのです。
よく付加価値をつけるにはどうすればいいか?がよく議論されますが、私の考えでは価値は既存のものに無理やり後からこじつけたりして付加するものではない。
「デザイン」「パッケージング」そしてもう一つ「ネーミング」も駆使し、製品開発最初から"高価値"を目指すことです。
どうすれば手に取る人に高い価値となって伝わるのか?
ビジネスとして全体を”デザイン”して取り組むことが「ブランディング=企業価値の向上」に繋がっていくのです。
開発に掛けるコストはもちろん意識しなければなりませんが、デザイン、パッケージングまでも含めて予算を考えるべきです。今ではあらゆるモノを、店舗でもネットでも簡単に比較検討できる時代です。世界中の商品までもが。
デザインやパッケージングに限らず、プロへ依頼するとうことは一時的には少し費用が嵩んでも長い目で見れば企業価値、商品価値を高めてくれて、競合商品との違いも明確になって価格勝負に陥らず、高利益が得られる強気の価格設定も可能になるのです。
もし、あたなたの会社がクリエイティブを軽く見ているのであれば、ぜひ競合するような他社商品を店舗やネットで今一度視点を製品目線でなく、デザイン目線で見てください。
「あ、こんな素敵なパッケージで、こんないい値段で売っているんだ」というようなモノがきっとあると思いますよ。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。