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社長!「情報発信力」を磨きなさい!―情報発信力不足はかくも惨めな結果を招く―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

それは1本の電話から始まりました。

私がコンサルタントとの仕事とは別に経営している会計事務所のことです。

電話は顧客紹介業者からのものでした。

こういう営業の電話は、月に何本かはかかってきます。税理士と税理士を探している顧客とをつなぐ仕事はそこそこ需要が多いらしく、様々なタイプの業者から営業の電話がかかってくるのです。その中の何社かとは、これまでも契約したことはありましたが、どれもそれほどうまくいかず、途中で立ち消えになったものがほとんどでした。

そういう経緯もあって、この手の電話はすべて断ろう、と私は思っていました。しかし、今回の業者は結構粘り強く、何回もアプローチしてきましたので、「話だけでも聞いてみるか。」と電話に出たのです。

ビジネスモデルはこれまでの業者とそれほど変わりません。登録は無料、紹介した案件がまとまったならば成功報酬としていただく、というモデルです。そこはすぐ理解できましたので、その報酬について聞いてみました。

「どんなふうに払えばいいの?」

先方の答えは

「お客さんから受け取られる最初の年の報酬から一定の割合でいただくことにしております。」

「それはどれくらいのパーセンテージになるの?」

と私。すると

「顧問料、決算料など最初の1年分の報酬全額の72%です。」

というものでした。

「72%!!!随分高いな。そんなにとるの?!?」

私は驚愕して聞き返しました。

我々税理士事務所が、新規顧問先から受け取る1年間の顧問料は、一般的には例えば3万円×12ヶ月=36万円、決算申告料が仮に14万円だったとして、合わせて50万円になります。おそらく全国的にもこれくらいが平均的な相場だと思います。

その72%ですから、36万円、つまり1年間の顧問料全額を紹介手数料として払うことになるのです。しかもこれは、全額前払い、顧客から回収する前に払わなければなりません。私は「え、本当にそれだけ取るのかよ?!?」と聞いたわけです。

それに対する答えは「はい、それだけいただくことになります。」・・・付け加えて、「なお分割もございます。ただし、その場合支払率は72%よりもさらに上がります。」・・・・

私はこれを聞いて考えこみました。

「俺たちの業界も随分なめられたもんだな。営業力がまるでないから、『(税理士さんは)自分たちじゃ営業も販売促進もできないのだから、それくらい払ったっていいじゃないですか。』と言われているようなもんだな。」

と思ったのです。その日の電話はそれで切りました。

2,3日たってまた電話がかかってきました。

「いかがですか。ご検討いただけましたか?」

これに対して、私は

「やはり、72%とは随分高いですね。しかしそれよりも、それだけ払ってでも、あなたたちに頼らなければならない我々の業界を、私は情けなく思います。私の事務所は営業力も販売促進企画力もありますので、そんな法外な料金を払ってまで、他者に依存しようとは思いません。ですから、うちは結構です。」

と言って断りました。これは、むこうにとってかなり意外なセリフだったようで、そのあともなにかごちゃごちゃ言っていましたが、とにかく、私はその営業の誘いには乗りませんでした。

さて、長々と書いてきましたが、今回感じたのは

「そもそもビジネスというものは、自らの営業力や販売促進力そして情報発信力といったものがないと話にならないな!」

ということです。

どんなに優れた商材、専門性や資格を持っていたとしても、それを自分で売り込む力がなければ、他者に頼らざるを得ません。そうなると、途端に足元を見られるのです。もっと言えば、どんなにエラソーにしていたとしても、売る力がなければバカにされるのです。

このことは、税理士に限らず、どんな業界の人も肝に銘じておくべき本質だと思います。

自分の持っている商材や専門性は、すべてとは言いませんが、基本、自分の力で売り込んでなんぼの世界なのです。

もちろん、販売促進や広告宣伝に関する企画や制作物など、その道の専門業者に振り出しても構わないのですが、その際の企画や出来上がったものを検証する能力くらいは身につけておく必要性はあります。何から何まですべて丸投げにすると、上記のように、とんでもなく法外な手数料を負担する羽目になるのです。とはいえ、前述のように広告物や販促物といったものは、その専門業者に振り出したり、依頼する必要性は出てきます。全部自前でやろうとするのは却って不合理と言えるでしょう。

ただ、その成果物についてのよし悪し位の判断はつくように、自分の事業の販売促進や広告宣伝については、普段から勉強しておくべきだとは思います。

その入口の考え方がマーケティングであり、具体的には販売促進広告宣伝といった手法となるのですが、こういった分野に関する学習が中小企業(税理士も含んで)の場合、極端に遅れているのです。

ただ、販売促進の中には、こういった他者の手を一切借りなくてもできることが1つだけあります。

それが「情報発信」です。

「情報発信」は、基本こちら側がすべて自前で行ないますので、他者の思惑やバイアスの入り込む余地がありません。

100%自前で売り込める手段なのです。

さらに言えば、「情報発信」には販売促進を超える機能(企業ストーリーや理念哲学を伝えるという)もありますので、これをやらない手はないのです。

私の事務所は、広告宣伝(それほどお金をかけてはいませんが)のほかに、徹底してできる限りの「情報発信」を行なってきました。そういった努力もあって、過疎化高齢化の激しい田舎にあっても、ずっと業績は右肩上がりでここまで来ることができたのです。

私に言わせれば、営業活動、販売促進企画、広告宣伝といったものを、すべて外に丸投げするということは、ビジネスにおける敗北を意味します。

マーケティングというものを、まるでやってこなかったから、そんな羽目に陥るのです。

日本の中小企業、中でも地方のそれは、もっと営業活動や販売促進について勉強し、研究し実践する必要があります。

ただし、そういった勉強と同時進行に「情報発信」は、特別に学習しなくても、すぐにでも始められることの一つです。

他者に、イニシアティブを握られるという悔しい思いをしないためにも、今すぐにでも、自前の「情報発信」を始めてみてください。

 

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