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ワンチームはなぜ感動を与えるか。

SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

 改めて言うまでもないのですが、先日までのラグビーワールドカップの日本チームの戦いぶりは素晴らしく、ラグビーなど全く興味のなかった人までも「にわかラグビーファン」に仕立て上げました。どんなチームスポーツでもそうなのですが、メンバーが一丸となって戦う姿の美しさは感動を呼びます。その理由は何なのでしょう。

まず目に留まるのは、一丸となるまでの苦労の道筋です。強いチームほど強いプレイヤーがそろっていて、個々の理念やプライドを持ってプレイをしていますから、何もしなければ、ばらばらになるはずです。その自我のようなものを意志の力で丸めて全体の利益を優先するわけですから、個々の中での葛藤やメンバー同士のぶつかり合いはさぞかし激しかったであろうと推測するわけです。

頭の良い人であれば「一丸となった」ふりをして、やり過ごそうとするかもしれません。そもそも「一丸」と言われても何のことかイメージができない人もいると思います。それを「一丸」とならざるを得ない状況に持ち込んだのは、リーダーの手腕なのか人望なのか、それともメンバーの人柄なのか。いずれにせよ一朝一夕にはいかない技や葛藤の過程を思いやって、すごい!と思うわけです。

感動を呼ぶ理由の二つ目は、ゲームの最中に、アウンの呼吸でプレイヤーからプレイヤーにボールがわたっていくような場面にあります。言葉を介さなくても意図が伝わってチーム全体が一つの生き物のように動いていく様子は、渡り鳥がきれいに並んで空を渡っていくのと同じように、個人を超えたところにある共通の意志を感じます。もちろん個々のプレイヤーのスキルの高さも必要なのですが、チームという個々の集まりが一つの方向を向いているという状況には絵的にも心情的にも美しさが漂います。そして、じーん…とするわけです。

また単純にメンバー同士が助け合っている、フォローしあっている場面というは、見ていて気持ちいいというものもあるかもしれません。

ある調査によると、チームワークよくお客さんをさばく店は、そうでない店よりもお客さんを引き付けるといいます。以前、ファーストフードの店頭で、新人の定員を厳しく指導する店長の姿を目にしたときに、「お客さんの前でそれをやるのどうかなあ」と思った記憶があります。商品が出てくるのを待つカウンターのこちら側にも何となく気まずい空気が漂ってきました。それよりむしろ、周囲のメンバーがつなたい新米を明るく上手にフォローしている場面の方が、お客さんから見ても気持ちがよくて、全体の好印象を生むのは間違いありません。

 

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