親子経営 繁盛と繁栄の秘策 父親がすべき7つのこと①
子供(後継者)を長い目で育てる
いよいよ今回より本題に入ります。経営規模の大小に関わりなく、経営者である父親と後継者である子供の関係が上手くいってないと企業の業績に多くの悪影響をもたらすことになります。
なかには親子間の不和が原因で信用不安を招くことがあり、ひどいケースでは廃業、倒産にまで至ることがあります。その一方で親子関係が上手くいっている企業では、その強い絆と信頼関係に裏打ちされ、より強固で堅実な歩みを見せている企業が少なくありません。
そこでまず親子の関係性を改善するため、父親である経営者にやってもらいたいことを7つ紹介していきます。まずひとつめが「子供(後継者)を長い目で育てる」ということです。
父親にとって子供はいくつになっても頼りなく思えるものです。少しの出来事で一喜一憂するのでなく、冷静に温かい目で見守って欲しいものです。一旦、後継者と決めたならじっくりと時間をかけて育て上げてください。階段を一段一段ゆっくりと登らせているつもりで注意深く見ていて欲しいところです。
大切なのは、自分の子供といえども自分とは全く違う別人格であるということをしっかりと認識することです。よく話すことですが、親から子への経営交代はまさに「接ぎ木」です。
桃の木である親父がみかんの木である息子に接ぎ木をしたとします。親父は息子も自分と同じように時が来れば立派な桃を実らせるものと期待していました。ところが出来た実が自分とは全く違うみかんでした。
親父は激怒します。俺の木にみかんなど実らせていったいお前は何を考えているのかと。叱られた息子は訳が分かりません。親父の跡を継ごうと一生懸命努力をして立派な実をたくさん実らせたのに、褒められこそすれ怒られるなどと思ってもいませんでした。これまで以上に幹を太らせさらに根を深くしっかりめぐらせまでしたのに親父の怒りがとても理不尽に聞こえてきます。
実際にもこれと似た話がたくさんあります。特に創業社長と後継者に多い話かもしれません。プロローグで書かせて頂いた大塚家具さんなどはこのケースでもあります。創業者である会長と後継者である長女との関係性が桃の木にみかんの木を接ぎ木したのと同じようです。
自分の会社を継いでくれとは言ったけれど親父が創ったビジネスモデルを勝手に変えてしまうとは夢にも想像していなかったかのようです。長女をいつまでも子供だと思ってしまっていたのかもしれません。まして全く自分とは違う別人格であり、立派な女性であり経営者であるということを最後まで認めなかったのでしょう。
自分の子供でもある後継者をひとりの別人格を持つ人間として認識をしたうえで、時間をかけゆっくりじっくり辛抱強く見守ることが必要です。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。